『恋愛戦国』~陰キャオタクの俺が学園の美少女達にモテだしたのには何か理由があるはずだ~
NOV
第1章 仙石学園入学編
第1話 竹中颯
「のんちゃーん? あなた宛てに荷物が届いているわよ~」
「ハーイ、ママ」
フフフフ……やっと待ちに待った商品が届いたわ……
それも限定十名様の超激レア商品……
『
『これを飲むとあなたは更に身も心も美しくなるでしょう』という、うたい文句がある商品だけどまさに、この私にピッタリの商品だわ……
べ、別にこの『内面液』に頼らなくても私は人気があるのだけど、元々、女子高だったうちの学園も共学になってから年々、男子の数が増えて来ているし、可愛い女子の入学も増えて来ている。
油断はできないからね。今までの先輩達はその油断で落ちて行ったしね。
しかし、まさか当選するとは思わなかったけど、これも私が神様にまで好かれているって証拠よね?
フフフフ……これで私の『地位』は盤石なものになる。
見ていらっしゃい、新一年生共……
これであなた達は入学早々、私の虜になってしまうのよ。
――――――――――――――――――――
四月……
俺は『
まぁ、入学というよりも『中等部』から『高等部』に進級したという感覚の方が強いかもな。
おっと、自己紹介が遅れたが俺の名前は『
年齢は十五歳だ。
俺の身長、体重は普通の高校生レベルだとは思うけど、小学生の終わり頃から視力が悪くなり瓶底メガネをかけている。
コンタクトという選択もあるのだが、とある理由でメガネにこだわっている。
髪型もボサボサで前髪も長くて顔が隠れているからにどこからどう見ても俺は正真正銘の『陰キャメガネオタク』だ。
まぁ、見た目だけがオタクっていうことでは無いぞ。
趣味だってアニメやゲーム、そしてラノベも大好きなので中身も完全にオタクだと思う。
しかし、昔はこんなオタク野郎ではなかったんだ。
そう、小学四年生までは……
俺が小学四年生の頃、クラスに転校生がやってきた。
そしてその転校生はめちゃくちゃ頭が良い女の子だった。
普通に頭が良いってわけじゃない。『超天才』の女の子だ。
名前は『
とても大人しく、いつも一人、教室で本を読んでいる様な子だった。
その明智に俺は一度、聞いたことがあるけど、明智の家は母子家庭で生活が大変だったらしい。だから明智は将来、母親を楽にさせてやる為に必死に勉強したそうだ。
そして、元々才能もあったのだろう。
勉強を頑張った結果、小四なのに既に中学生で習う勉強は完全にマスターしていたそうだ。
だから、そんな明智は勉強が出来過ぎてクラスではかなり浮いていた。
元々コミュニケーション能力も欠けていたので友達も一人もいないみたいだった。
それに勉強のやり過ぎでそうなったのかは謎だけど、今の俺と同じ瓶底メガネをかけていた。
まさに小学生としては『いじめ』の対象になってしまう容姿だった。
明智は毎日、クラスのリーダー格の女子達にイジメられていた。
そして、そのイジメはクラス全体に広がっていき、男子達も女子に嫌われたくないもんだから一緒になって明智をイジメる様になっていた。
勿論、俺は明智をイジメてはいない。
どちらかといえば陰からだけど、明智を助けていた方だった。
まぁ、声をかけて励ましたりすることしかできなかったけど、それでも明智はその度に笑顔で『竹中君、ありがとう……』とお礼を言ってくれていた。
今の俺と同じで前髪も長く、瓶底メガネをかけていたので表情は分かりにくかったけど口元で笑顔だということは分かる。
だから俺はそんな明智の笑顔を見るのが嬉しくもあった。
その頃の俺は『陽キャ』で友達も多く、正義感もあり人気もあったんだ。
喧嘩もそこそこ強かったしな。
そう、その頃までは……
ある日、いつものように女子に囲まれて暴言などを吐かれている明智がいた。
明智は何も言い返さずに黙って聞いていたけど、いつもの明智ではなかった。
明智の頬を涙が流れていたんだ。
我慢の限界が来た俺は遂にクラスの女子達にブチ切れしてしまう。
「お前等、いい加減にしろよ!!」
俺の怒りに驚いた女子達の数名は泣き出してしまう。
丁度、担任の先生が教室に入って来たので教室中、何事も無かったかの様な雰囲気となり、そのまま授業が始まった。
しかし、そこから俺の『暗黒時代』が始まったのだ。
――――――――――――――――――
お読みいただきありがとうございました。
『陰キャ男子』をめぐる『陽キャ女子』達の恋愛戦争……?
過去のトラウマを理由に友達や彼女なんて絶対につくらないと決めている主人公……
しかし高校生になり急にモテ始めた主人公の運命はいかに!?
早い段階で作品フォローや☆評価などを頂けると嬉しいです。
宜しくお願い致します。
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