第33話- 木立と人影
キノコの季節も終わって落ちる葉は落ちてしまうと見晴らしもよくなる。
雨上がりで煙るような薄い霧のなか、キノコに代わって育つ物がある。
さ迷ったままの人の心が木に寄り添うように生えてくる、おとなしく立ち尽くす彼等はどれも特徴がなく叫び声も聞かせずに、ただ地の底から生えてくる。
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