るてるて
模-i
るてるて
さて、カミをぞんざいに扱うとまずいようでして……
「やってらんねーよな、雨なんて。」
リュックサックいっぱいに入れたお菓子は行き場をなくした。
雨の重みでひっくり返った「それ」も。
「行ってきまーす」
ランドセルの在った方を向いて。
滲む。滲む。
「今日、ホントは校外学習だったのになー」
「誰だよ天気を晴れにしなかったヤツ」
「あーあ」
ぷちっ
「今日、ホントは校外学習だったのになー」
「あーあ」
「ただいまー」
紐だけを残して。
滲む。滲む。
「行ってきまーす」
朱く二つの点が。
滲む。滲む。
「あー疲れた」
「これで昨日雨降らなけれ」
ぷちっ
「あー疲れた」
「ただいまー」
そして、ベランダに落ちていたティッシュの成れの果てを、今更思い出した。
「うわ忘れてた捨てなきゃ、気持ち悪っ」
ぷちっ
ぽたり
ぽたり
ぽたり
一滴。また一滴。首に執拗に滴る冷たさで、目が覚めた。
なんだこれ あれ こえがでない
ぼたり
まって おきあがれない うごけない
ぽたり
たすけて だれか
ぽたり
雨垂れすら且つ石を穿つ。況んや体をや。
了
るてるて 模-i @moaiofmoai
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます