不良少年が魔法少女になったら最強ですか?

ジータ

第一部 魔法少女嫌いの少年

プロローグ 始まりの春

 魔法少女。

 それは、世界に蔓延る悪……ヴィラン組織と戦う正義の存在。

 数十年前、突如として現れた怪人たち。超人的な能力を持つ怪人に対して人間の力はあまりにも無力で、世界は闇に包まれかけた。しかし、世界は決して人を見捨てはしなかったのだ。

 時を同じくして現れた妖精たち。彼らは人に大きな力を与えた。そうして生まれたのが『魔法少女』だ。

 それから時は経ち、現代。

 今もまだ魔法少女達とヴィラン達の戦いは続いており、その終わりは見えていない。

 この物語は——。


「そっちに行ったわよラブリィレッド!」

「わかった! って、頭にラブリィをつけないでって言ってるでしょブルー!」

「はぁ、なんでオ……オ、私がこんなこと!」

「文句言ってる暇があるなら戦いなさい。この不良男」

「今はそれ関係ないでしょブルー!」

「ちょっとあんた達、喧嘩してる暇があったらさっさと片付けなさいよ。私、早く家に帰って昼ドラみたいの」

「「うるさいこの駄妖精!!」」

「誰が駄妖精よ!!」

「あぁもう、私は……私は魔法少女なんて大っっっ嫌いなのにぃっっ!!!」

 

 ——魔法少女が大嫌いな少年が妖精と出会い、様々な出会いを経て成長していく。そんな物語。

 全ては桜咲き誇る四月。紅咲晴輝が高校二年生になったその年に始まった。


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