名は体を
勝利だギューちゃん
第1話
春の七草
「せり・なずな・ごきょう・はこべら・ほとけのざ・すずな・すずしろ」
それぞれに、意味がある。
例えばせりは、競り勝つようにという意味がある。
娘が生まれたら、競り勝つように、瀬梨とつけよう。
そう、決めていた。
そして、結婚して、妻が妊娠して、女の子と分かり、
瀬梨とつけたいと、告げる。
妻も賛成してくれた。
「そのかわり、男の子だったら、私がつけるね」
そう、笑っていた。
そして、娘が生まれ、瀬梨と名付けた。
すくすくと元気に育って行った。
友達も多く、家族との仲も良好。
それはいい。
それはいいのだが・・・
「パパ、やろう」
「またか?ママとやれ」
「ママは、弱いからつまらない」
「なら、友達とやれ」
「友達も、弱い。私の相手になれるのは、パパだけよ」
休みの日には、駆り出される。
それが、スポーツなら健康的だし、ゲーム類もわかる。
愛娘の瀬梨に駆り出されるもの・・
それは・・・
「今日は、チャーハンで勝負よ。パパ」
「望むどころだ」
瀬梨・・・
競り勝つように・・・
七草のせりから、取った。
それを娘に話したら、料理に凝りだした。
小さいころは、もちろんたいしたものはできない。
だが、中学生になると、腕を上げていった。
自慢になるが、俺は料理は上手い。
調理師免許があれば、店を出せると自負している。
面倒なことになりたくないので、取らないが・・・
「パパは、ハンデとして卵抜きね」
「それは、チャーハンでなく、焼き飯だ」
「硬いこといわない」
瀬梨・・・
いいお嫁になるよ。
行ければだけど・・・
「パパ、何か言った?」
「なんでも・・・」
名は体を 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu
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