何も無かったボクが反転してやり直す事になりました。
れぷ
第1話 全てが反転したボク
ボクは気がつくと幼稚園児達と一緒に積み木やお絵かきをして遊んでいた。
辺りを見渡すと、どうやら幼稚園の一室のようだ。そしてボクもどうやら幼稚園児になっているらしい。
自分のちっちゃな手を見る。わきわきと動かすと凄く手の感覚が鋭い事に気がついた。前世(?)のボクは驚かれるレベルで手先が不器用だった。今世のボクに比べたら、前のボクの手は軍手を何枚も重ねたくらいに感覚が鈍かった。そりゃ不器用なはずだ。
試しに目の前にある積み木で遊んでみることにした。まずは普通に積んでみる。
凄い!こんなに思い通りに、繊細に物を置けるなんて!!楽しくなって、曲芸みたいなバランスで積んでみた。おぉ!できた!!10個の積み木を面じゃなくて辺や点で積み上げられた。
「え?!凄っ!!・・・そ、そうだスマホで写真撮らなきゃ!!」
保育士さんらしき女性がボクの作品に驚いて、ポケットから取り出したスマホで、ボクと積み木が映るように写真を撮りまくっていく。
自信作を評価されてついついドヤ顔でカメラに視線を向ける。
「百合姫ちゃん良いよー!可愛いよー!天才だね!」
ん?ユリヒメちゃん?ボクの名前そんな女の子みたいな・・・
あ、ボク女の子になってる。スカートに真っ白いタイツまで穿いてるわ・・・
☆
どうやらボクの名前は七福院 百合姫(しちふくいん ゆりひめ)というらしい。ちなみに七福院は前世でもボクの名字だった。それにこの幼稚園も前世で通った幼稚園だったし。教員室?にあった新聞をみると、過去に戻っている事がわかった。
過去へ逆行転生というやつだろうか。恋愛系のラノベでそんなの見たことが有る。その手のラノベでは大抵、ろくでもない最後を迎えた主人公が人生をやり直すチャンスを与えられて人生を変えたりするんだよね。
確かにボクの人生はどうしようもなかった。前世のボクは何にも才能が無い人間だったからね。勉強も出来ない、運動も出来ない、手先も不器用、容姿も悪い、オマケに生まれつき心臓が弱く、太りやすい体質だったので太りすぎて余計に心臓に負担がかかり、最後は衰弱死したと思われる。もう少しで20歳の誕生日だったんだけどね。
前世の記憶が覚醒して間もないけど、色々分かった事がある。まずはさっきも言ったけど女の子になってる事。手先が器用になっている事。立ち上がったり歩いたり、更に走っても心臓が苦しくならなかった事。鏡をみて驚いたけど、ボクが天使みたいに可愛らしい容姿になったいた事。
まるで前世のボクの全てが真逆になっているようだった。
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