第13話 お茶会当日
「変じゃない?本当に変じゃないかしら? 」
不安になって、専属メイドのクラリッサに何度も確認する。
今日は、いよいよお茶会当日。
「お嬢様。美しさにおいてお嬢様の右に出るものはいませんわ。自信を持ってください」
肩を優しくポンポンと叩かれる。
ドレスはこの間、私が注文した通り、いや、それ以上の仕上がりで私を満足させた。
満足してしまったからこそ、こんな素敵なドレスが私に似合うのか心配になってしまったのだ。
鏡をみると、髪の毛をハーフアップにした美少女が映る。
パールを付けた緑のカチューシャも似合っている。
でも、お茶会ってオホホ……とか笑いながら相手の粗探しするイメージなのだけど!
前世庶民の私にはハードル高いわ!
コンコン
「どうぞ」
テンパりながらも、冷静に見えるように返事をする。
「あら。とっても綺麗だわ、アリー」
光沢のあるキャメルのドレスを着ている母。
優しげな雰囲気にとてもよく合っている。
胸元には父の瞳の色と同じ緑のネックレス。
父の独占欲を垣間見た気がする。
母の後ろからユズの姿が見えた。
いつもは下ろしている前髪を上げているのが新鮮だ。
ただ、まだあどけなさが残る感じで、カッコイイというよりは、可愛いが勝つ感じ。
「ユズも緊張してる? 」
「とても緊張してます。足が産まれたての小鹿状態です」
「無表情で言われても、信ぴょう性ゼロね」
だが、このやり取りで少し肩の力が抜けた気がする。
「では、そろそろ行こうかしら?アリー、大丈夫? 」
「えぇ、お母様」
いざ、お茶会という名の戦場へ!
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