第5話 お待ちかねの…
目の前には、キラキラと光る人参のグラッセ。
私のお皿に乗せられている量が一番多い!!!
ありがとうシェフ!
熱々の内に食べるのが一番なので、テーブルマナーに気を付けながらも、モグモグと食べ進めていく。
もちろん私は、少し冷えてお砂糖とバターが固まっているグラッセも好き。
お弁当に入っていると、午後からは凄くご機嫌だった…って、あれ?
ということは、人参のグラッセは前世からの持ち越しの好きな食べ物か!
まぁいいか、美味しいので問題は無い。
食べ終わり少し落ち着くと、ニコニコと微笑みを浮かべる両親。
ちょっと夢中になり過ぎたかもしれない…恥ずかしい。
「あ、そう言えばアリー。今度のお茶会のドレスを今度のお休みの日に買おうね」
父が思い出した、と言った風に言う。
お茶会!
そういえば、今度家でやるとか言ってたっけ。
となると、私の家は貴族なのだろうか?
「ねぇ、お父様。私のお家は貴族なの? 」
固まる父。
しまった、4歳の子は貴族とかそういうの分からないんだろうか?
「アリー!可愛い上に天才とか、素晴らしいね!流石天使なだけはあるよ! 」
褒められて満更でもない私。
「そうだね、もう少し大きくなってから話すつもりだったんだけど……。うちは公爵という爵位をいただいているんだよ」
「公爵!」
え、結構な高位貴族なのではないだろうか、公爵って。
「おや、公爵を知っているのかい?流石天使のアリーだ」
不審な点を天使で済ませる私の父、実は大物なのではないだろうか?
「爵位をいただくと言うのはね、恩恵もあるけれど、それだけ責任も伴うんだ。お茶会もね、社交の場として大切なことなんだよ」
今のアリーには難しいかも知れないけどね、と笑いながら締めくくる父。
なるほど。
権利に責任は伴うと言うことね。
ウンウンと頷く私を、微笑ましいと言わんばかりに見る両親。
あ、これきっと分かってないのに大人ぶって分かったフリしてると思われてるな。
まぁ、いいけど。
そう言えば、ユズ静かだな…と思って横を見ると。
ナプキンで鶴を折っていた。
こっちにもあるんだ、折り鶴。
ツッコまないぞ、私は。
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