第60話「Sランクパーティ」

※ 久しぶりの再開ッ ※

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  ─── 本編です ───




※ 王都深部ダンジョン───旧魔王殿 ※



 ──ドザッァァァァァアアアアアアアアアア!!



 霊光石・・・の淡い明りが弱々しく周囲を照らす薄闇の地下──。

 そこには、地下空間とは思えぬほど膨大な量の水が流れる大瀑布が流れていた。

 ゴウゴウと不気味な音を立てて水が落下する先はどこに続くとも知れぬ漆黒の闇がある。

 そのほとりで──……。


「ふんッ! むんっ!!」


 いっそ寒々しい景色のなか、相反するように身体中から熱気を放ちながら一人の偉丈夫が熱心に大剣を振るっていた。

 一目で業物とわかるそれで切り裂かれていくのは、対峙する無数の物言わぬゴーレムたち。

 だが、斬られていくゴーレムもそんじょそこららのゴーレムとは格が違うのは、その見た目からもわかる。


 霊光石を取り込んだ巨体を揺らし、未知の金属で武装した武器と一体化した腕を高速で振るいながらも、それぞれが完璧な連携で偉丈夫に襲い掛かる。

 それを──。


「ぅらっぁぁああッッ!!」


 気合一閃!!


 刹那、大剣の切っ先から、何らかの剣技スキルが放つたれ──たちまちゴーレムたちが数体、バラバラに刻まれ音を立てて崩れ落ちていく。

 だがその数はかなりの物で、音に誘われるようにあとからあとからやってくる。


 ズシンッズシンッズシンッ!!


「ひゅ~♪」


 それを楽し気に眺める偉丈夫は、まるで軍楽隊のバトンのように手先だけ大剣をクルクルと弄び、さらなるスキルを練り上げていく。

 そこに、

「おーい、アルベルト!!…………おーいってば!!」


 そこに緊張感のない声でやってきたのは小柄な女性。

 闇の中から明るい金髪を揺らしながら、ピョンピョンと軽い調子でゴーレムの間を飛び跳ね、どうかすればその頭を足場にして、偉丈夫のもとにたどり着くと、大剣の切っ先に着地する。


「ち……」


 それを知ってか知らずか、祖の切っ先事ゴーレムに振るうも、ツツーと大剣の腹を滑って、器用に地面に着地。


「無視すんなしー」

「ふんっ!!」


 ガーーーーーーーン!! と、やはり完全無視で、さらなる強力な剣技を一撃をぶちかまし、ゴーレムの群れを一挙に押し戻した偉丈夫。

 ぶー垂れ顔の少女──闇の中でも輝く金糸のような髪と、剣劇の火花を反射するエメラルドの瞳をもった、特徴的な笹耳のエルフが、唇を尖らせてアルベルトこと偉丈夫にクレームをつける。


「ちょっとぉぉお! 聞こえてんでしょー! あと、私ごと攻撃すんなし!!」

「るっせぇなー。今、いいとこなんだよ」


 それでも、汗を散らせつつ……エルフ少女にそっけなく返すと、やはり顧みることなく、再度ゴーレムの群れに突撃をぶちかました。


「ち……!」

「──っっあっぶないわねー!! あと、いま舌打ちしたの聞こえてっからね!! 何よ、殺す気ぃ?!」


 ぶーぶーぶー! と見た目相応に、子供っぽく駄々をこねる様子を見せるが、もちろん、長寿と名高いエルフのこと。

 おそらく見た目通りに年齢ではないだろう。


「だいたいねー、スキル使用中でも聞こえてんの知ってんだからぁ!!」


 そういって、

 ついには、バラバラのなったゴーレムの残骸の上に器用に立つと、手にした紙をピラピラと振りつつアルベルトにベシリと叩きつける。


「ぶっ……!」


 汗と糊でぴったりと張り付くそれは東方に出没するというアンデッドにそっくりだ。


「ほらぁ! これぇ!!」

「っせぇなぁ…………なんだよ? もう終わるとこだっつの」


 それだけ言うと、最後に剣を一突きし、ゴーレムを列ごと串刺しにすると、破片を振り払うようにして剣振りし方に乗せるとようやくアルベルトは振り返った。

 顔は完全に張り付いた紙によって隠れているが、刺し損じはないらしい。っていうか、無茶苦茶感じ悪い……。


「ったく、もー。子供じゃないんだから、呼ばれたら返事くらいしてよー」

「子供じゃないから黙ってるんだろうが──……見りゃわかるだろうが、戦闘中だっつの」

 うんざりした顔のアルベルトに、

「は~ん?? 戦闘ねぇ、どっちのスキルよ? 戦闘? 攻略?」

「……どっちでも同じだ。俺のスキルならな」


 ピッ!


 それだけ言うと、すれ違いざまにエルフの少女がもつ残りの手紙数枚を奪い取る。


「───で、なんだって?」

「あ、こら! まだ全部読んでないのよ───」


 なら、読んでから来いよ……。と言いたげな顔をサラっとスルーした少女は、

「ま、いいわ」

「いいなら来るなっての」

「うっさいわね!! っと、それどころじゃないわよ? ふふ~ん、聞いて驚きなさい。珍しい奴から手紙よ? わざわざ大金詰んでこんなダンジョンくんだりまで発送してんだから、緊急事態ってやつみたいね」


 ほーん、大金ねー……?


 興味なさげに鼻で笑うと、そこには、冒険者ギルドが緊急時の伝令に使う鳥を模した便箋型の『使い魔』がパタパタと小さな羽音たてながら光の粒子となって消えていくところだった。

 たしか、冒険者ギルド謹製のアーティファクトで、広域を探索する冒険者宛てに技術の粋を凝らした超高級アイテムらしい。


 下手すりゃ家が一軒建つほどの価値があるアイテムだ。


「──なるほどね。希少レアアイテムを使うほどの事態……っとな」


 えー……どれどれ?

 リリリィン♪ と涼やかな鈴の音のような音共に手紙に記された文字が淡く光り、薄闇の中でも良く読み取ることができた。これもアーティファクトの機能の一つらしい。

 もっとも、文字が発光する前から、薄暗闇の中でよく読めるなと感心するほどツラツラと文字面を追っていくのが目の動きからもわかるのだが……。


 んーーーー?

 ふむふむ……??


 興味深げにのぞき込む少女から、わざと手紙を遠ざけつつ、文面を高速で読み進めていくアルベルト。

 ご丁寧に地図やら、途中の通行手形やら、さらには、なにやら生物のスケッチまで。


「ちょー、見えないでしょー! 誰がキャンプから持ってきたと思っているのよー」

「ふ~む、これはこれは……」


 だーかーらー! みーえーなーいー!!


 ぴょんぴょん飛び跳ねる少女からひょいひょいとお手玉のように手紙を回し意地でも読ませない。

 それらをなんとか横から覗き見ようとウロチョロするエルフ少女。


「……ほうほうほう、ほーーーう?!」

「ん?! なになに? なんなのー?!」


 ついには、

 珍しく、大きめの反応を見せる相棒に、しびれを切らしたのか、アルベルトの肩にぴょんと飛び乗ると、肩越しに手紙をのぞき込む。


「で──なになに? なんて書いてあるのん??」


 上から覗き込むものだから、いろいろきわどいところだととか、

 あるいは、金の髪がパラパラとアルベルトにかかる。


 それをうっとうしそうにしつつ、「退けっての」と、エルフ少女を肩から追いやりつつも、

「だから、読んでから持ってこいっての───。ま、それよりも驚いたぜ。……これを出したの、誰だか知っているか?」


 数枚にわたる便箋をピラピラと振りながら、ニヤリと笑う。

 そして、少女の答えを聞くまでもなく、

「あのサラザールからだ」


 サラザール。

 辺境の町のギルドマスターにして──……。


「ん?? それは知ってるよ。……たしか今は、あんたの故郷でギルドマスターやってんだっけ」


 どうやら、件の手紙は、旧知のサラザールからのものだったらしい。

 そこまでは便せんの宛先から知っていたらしくエルフの少女はそれほどの反応を示さない。


 っていうか……まぁ、少女という年齢ではないのだろうが。


「なによ?」「……別に」


 妙に勘の鋭い少女から視線をふいッとそらすと、再び文面に目を通す。

 内容は簡潔だ。次節の挨拶すら省略しての緊急事態とのこと。


 それよりも、だ。


「まぁその通りだ。正直、サラザールからってのが一番驚いたんだが…………。う~ん?? っていうかよ」


 ピラピラ


「…………これのどこが緊急事態なんだ??」



  『至急、招集に応じられたし!!』



 その文面から始まるギルド経由の緊急依頼……。

 その中身は見るまでもない──。ギルド経由で送られたそこに添付された様々な書類に交じって、巨大な魔物のスケッチが……。



「ん? そうなの??」

「おーよ。『──アークワイバーンの駆除ないし放逐』……だとよ」



 ………………へ???



「ア、アークワイバン??」


 エルフ少女が瞳をふるわせつつ、声を落とす。


「おーよ、アークワイバーンよ。ワイバーン………………ってお前、ピンときてないだろ?」

「ぎく!」


 ジト目のアルベルトに、慌てて首を振る少女。


「し、しししし、知ってるわよぉ、え、エルフ4000年の知識なめんじゃないわよ?! ほ、ほらぁあれでしょ? なんか、こう──あーくなやつ」

「いや、エルフの4000年の知識は関係ないからな。……なんだよ、アークなやつって。じゃ、言ってみろよ」


 にや~り


「む!! むむぅ!! し、知ってるもん! 知ってるんだからぁああ! あのー、ほらぁ、あれー………………さーせん」

「ん。素直でよろしい…………………………………あれ?」


 なんだっけ、アークワイバーンって?


「って、お前も知らんのかーい!!」

「いや、待てって! 知ってるっつーの! ほらぁ、これだよこれ!……厄災の芽だってさ」


 サラザールの同封してよこした便箋の一枚。

 辺境の町を襲った厄災の芽──アークワイバーン。


 複数の首をはやした巨大なワイバーンの変種で──……。


「あ、ずっこい! それみたら誰でもわかるわよ!────って、な~んだ、ただのワイバーンじゃん」


 アルベルトの肩に顎を置くと、ぐいぐいと食い気味に手紙をのぞき込むエルフ少女。

 その首根っこをつかむと、ぺいっと、放り投げて追い払う。

「くっつくな、暑苦しい! あと、アーク何とかだって書いてるだろ!」

「アークなんとかなのそれ? え? 厄災の芽……?? え……これがぁあ?」


 くるんと起用に空中で回転すると何でもないように地面に下りる少女が首をかしげる。


「ん-む。どうやら、そうらしい………………ワイバーンだよな、これ?」

「ん~……雑魚トカゲは最近相手にしてないからなー。ワイバーンってこんなだっけ?」


 さぁ??


「で、それがどうしたの??」

「……だから、駆除しろってさ」


「へ?」


 頭に顔に全身に???マークを浮かべる少女。

 同時にアルベルトも首をかしげる。


「アークワイバーンを?」


 いえす


「え?」「え?」



 辺境の町より緊急依頼を受け取ったとあるパーティ。

 しかし、どうやら彼らとギルドの間には大きな認識の隔たりがあるようであった……。


 もっとも、そのことが判明するのはもとっずっと後のこと──。


 そう、

 その頃の地上では、まさかまさかの冒険者が大健闘。

 中級に昇給したばかりのものが倒すなど誰も予期しておらず──……最悪の事態を想定し、知る人ぞ知る冒険者パーティに緊急依頼が出されていたのであった。

 その依頼がのちに大波乱を呼ぶことなど、この時は誰も知る由はなかったのだが……。




  ─────あとがき─────


当作品は小説版5巻、漫画版9巻まで発売中ッ!

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