第12話 魔導評議城塞アトランティス(アタラシア)の襲来 1
ミナ王統治3年、夏。(ナイル増水期)
あれから(5話ミナの即位)3年が過ぎた。
海とナイルには三角帆の快速ヨットがあふれ、
軍では鞍とあぶみの付いた騎馬師団の育成が進行中。ちなみに鞍はあの日その場で上手い奴に作り直された。
スエズ陸峡ではエジプト中の建築職人を総動員して地中海から紅海までブチ抜く要塞線を年中無休で建設中。
王宮に向かう。
このままシヴィライゼーションレースのトップを独走しつづけるのだろうか。
歴史の細かい年号は全然覚えてないが、アレキサンダーやローマが侵略しに来るのはまだ何百年も先だったはず。来る頃には今よりさらに国力差で引き離してるだろう。
謁見室に向かう。
不老不死のミナがファラオに就いてるあいだは腰巾着の俺も安泰だ。こりゃあ今週からタイトルも【古代エジプトに転生した俺、楽してズルしてスローライフ】に変えねえとなあ?俺の
キモ喪男が外見と声帯変えてもキモさは隠しきれないんだね悲しいね。
着いた
大臣役人たちも勢揃いである。
ミナ 「よくぞ戻ったサアムウトよ。してコメとやらは見つかったのか?」
サアム「もちろんですとも。2年も遠征しましたからね。」
正確にはウソである。結局ジャポニカ米はインドには無かった。中国まで行かないとダメスかね?さすがに遠すぎるんだが。
サアム「これです」
インディカ米おにぎりである。ミナ陛下と大臣たち全員にくばる。
ミナ 「・・・・・・それほどでもないな」
喰ったのは俺とミナだけだった。ちなみにミナは血と生肉が最高効率なだけで他の食い物も食えるそうだ
サアム「既に試験栽培に入っております。最低でも二期作。三期作もいけると考えております」
つまり年に1回しか作れない麦に対して年3回作れるって事だ。3倍だぞ3倍。これでやっと職人や兵士の未払い給料払い終わるぞ(まあ厳密には小麦粉と米粒じゃ採れる量違うから3倍にはならない。)
ミナ 「他になんかあったか?」
近衛兵「大変ですぅーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」
なんだなんだ
●
王宮敷地内、正面入り口前
なんだあ、ありゃあ・・・・・・・・・
船。見た感じ
そいつが 空 中 に 浮いていた。高度は100mってトコかな。それが2隻。
ミナ 「あれも魔法ってやつか?すげえな」
今なんつったこいつ??魔法?魔法だと??こいつ魔法の存在知ってんの?しかも<あれも>???<も>だと?!他のも知ってんのかよ!ここが魔法世界だって知ってたの????先に言えよボケッッッ!!!まさか知らなかったの俺だけかあ?
サアム「陛下・・・魔法って何スか?・・・」
ミナ 「呪殺とかだよ。昔ちょっとな。ここ50年は見てなかったが」
支配層上層部でやっと知ってる程度か。知るわけないだろそんなの。どうりで俺や町中で聞かないわけだ。
モブ 「誰か乗ってるぞ!」
船上に人が出てきた。どんどん出てくる。その内の数人が飛び降りてくる。地面の直前で頭に金色の輪っかが浮かんだかと思うと急減速。そのまま何事も無く着地し金色の輪っかも消える。結果、空中船のデッキで立ってるのが8人、地上に来たのが5人。こっちから見えてるのはこれだけだ。もう1隻には動き無し。
ミナ 「サアムウト、刻を稼げ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます