ことのてんまつ~病院嫌いの私の場合

ヤギサンダヨ

第1話 プロローグ

 ここに記すのは私の身に起きた事実であり、少しも脚色を加えていないことを初めに断っておきたい。全て事実を記すのは、このような記録が、私と似たような思考をされる方の役に立つかもしれないと考えるからである。日付などもできるだけ記憶をたどり、記録があるものはそれを正しく伝えることにする。ただし、自分が生死の間をさまよっていた間の話は、後に妻から聞いたことであるから、多少妻の主観が入っているかもしれない。いずれにせよ、今このように普通にパソコンに向かってキーボードを打っていることさえ、信じられないように思えるときがある。実はあの時、私はやはり死んでいて、今こうしているのも、死にかけている私が夢を見ているだけではないのか、と思うことがしばしばあるくらいなのだ。

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