第2話 今更に泣き立つ者

 黒い鎖で林の中つるされている者・・・・・

光球に照らされ芸術品のようにつるされた者・・・・・


 狩りを楽しみ・・・・・

ぼろぼろの外套男は降り立ち・・・・・・・


 つるされ者のほほをなでる・・・・・


 つるされているドラゴンヴァメイル姿の・・・・・

芸術品のようなドラゴンヴァメイル身に着けた・・・・


 メットが破損し・・・・

外骨格が破損し・・・・・


 美しい容貌が光に照らされ・・・・・・

美しき女性黒髪は長く・・・・・


 絹ような白い肌・・・・・

美しき黒い瞳・・・・


 色深き身体・・・・・


 身体を貫きつるす鎖・・・・・


 その状態で・・・・・

つるされた美女は・・・・


 色深く微笑み・・・・・


 「いかようなことでも」

「受け入れます」


 「隠者ジョー様」


 ボロボロの外套のフードを上げ・・・・

にやりと笑うジョー・・・・


 「なんでもねー」


 そう伝え・・・・・


 「じゃあ遠慮なく」


 つるされ美女に雷が走り・・・・・

びくんと・・・・・


 ジョーは頬から手を離し・・・・・・

苦しみだす・・・・・


 つるされた美女は驚き・・・・


 「ジョー様」


 ジョーは涙をあふれさせ・・・・・

吼える・・・・・・


 「何故だ」

「何故俺につたえなかった」


 「あの愚王は」

「日常のあれ程書いておいて」


 地を殴りつけ・・・・・・


 「娘さえ」

「どうでもいいというのか!」


 「ゆさねえ」

「ゆるすか」


 つるされ美女は機を見る・・・・・


 「俺以外がやつを」

「愚王と呼ばせてたまるか!」


 ジョーは泣きつつ起き上がり・・・・・


 「娘を利用しよう」


 ジョーがどこかに行こうとしていると気がつく・・・・・

つるされ美女は・・・・・


 慌てる・・・・・

それはそうである・・・・・


 此のまま死ぬまでつるされ続ける事になるのだ・・・・


 「お待ちください」

「なんでもします」


 「一生をかけて」

「お仕えします」


 「どうかどうか」

「シュナをおつれください」


 必死に伝えるシュナ・・・・・


 ジョーは己の顔の手を・・・・・・

泣くのをやめ・・・・・・


 そしてシュナの頬に手を・・・・・・


 「俺との念術磨きを受け入れるか」

「そして俺以外に施せるか?」


 シュナは必死に・・・・・


 「受け入れます」

「ほどこします」


 「是非お連れ下さい」


 ジョーは頷き・・・・

頬から手を離し・・・・・・


 鎖は消え・・・・・


 シュナは地に座り込み・・・・・


 ジョーは頷き・・・・・

シュナ声を掛けつつ・・・・・・


 「シュナ」


 シュナは顔を上げようと・・・・

ジョーに頬捕まれ・・・・


 ジョーは覗き込むように・・・・

良く見えるように強引にシュナぼ頬掴み・・・・


 此方を見させ・・・・・


 シュナは目を瞑り・・・・・


 ジョーは伝える・・・・・

「口と目を開け」


 シュナは素直に・・・・・

目を開け口を開き・・・・


 ジョーは一粒の飴を・・・・・

シュナの口に入れ・・・・・


 「舐めろ」

「落ち着いたら家に戻り」


  ジョーは手を離し・・・・・

シュナは飴を舐めはじめ・・・


 「捕らえたやつらの説得を任せる」

「俺は出立の準備をする」


 「今日はねむらせないからな」


 此れがジョー式念術磨きなんですねと・・・・・・

シュナは思いつつ飴を舐める・・・・・・ 


 夜の森の中ドラゴンバスターを凌ぐ・・・・・

暴虐者はいまさらと知りつつ立つ・・・・・・



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