第10話 異世界転生
「……きて…………おはよー☆ おきて♪」
誰かが俺を呼ぶ声に、俺の意識は唐突に覚醒する。
真っ白な、ただ光だけが存在する世界に俺はいた。
「ここは……? 俺は確か、車に轢かれそうになっているにゃんこちゃんを助けようとして……それから、どうなったんだ……?」
「ここは神界、私は転生の女神。貴方は猫を庇い死んだのです」
「そうか、じゃぁ転生させてくれ」
「早っ。でも最近の子は物分かりがよくて素敵」
「剣と魔法のファンタジー世界に」
「それなら勇者か悪役令嬢か村人の中から選べるよ」
「じゃぁ、折角だから勇者で」
「後はスキルね。本来なら、貴方はまだ死ぬはずではありませんでした。もっと老いさらばえ、何も成さず何も得ず、ただただ惨めに一生を終えるはずでした」
「言い方」
「けれど神々の手違いで予定より早く死んでしまった貴方には、お詫びとしてこの中から好きなスキルを自由に選べる権利を与えましょう」
→ひよこのオスメスを見分けるスキル
金魚すくいの金魚獲得量が50%アップするスキル
「勇者向けのスキルじゃねぇ……てか選択肢少ないな」
「普通なら外れが97%くらいのガチャからランダムで選ばれるのよ。とってもお得よ」
「そうなのか」
「うん。下手すると『呪文の詠唱時間を100%短縮するスキル』とか『射撃の命中率が255%(暗闇完全耐性)になるスキル』とか、しょーもないのになるから」
「いや普通にそっちのがいいだろ、むしろそっちを選ばせろ。外れの概念どうなってんだ」
「じゃぁ特別にその2つ付けとくから。マジ特別だから」
「やったぜ」
「さぁ、そろそろおゆきなさい……邪神が干渉してくる前に」
「あぁ、ありがとな」
こうして、俺の異世界無双ライフが幕を開けた。
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