第2話 タピオカは別売り

 目蓋に刺さる陽光が皮膚を焦がす感覚に目が覚める。


「おはよー☆ おきて♪」


 カーテンを全開にして振り返り、悪戯っぽく笑う君。


 でも君は知っているだろうか。夜の眷属であるこの僕が日の光に当たると、チャイになってしまうことを。


 驚愕の色に変わる君の瞳と、茶色のチャイに変わる僕。


 ねぇ、最期にひとつだけ、僕の願いを聞いてくれるかい。

 チャイになった僕を、君が残さずゴクゴク飲み干してほしいんだ。そうすれば僕は君の一部となって、ずっと君と一緒にいられる。


 愛しい人よ、どうか悲しまないで。君に飲まれるなら僕は本望さ。


 それに、僕たちが結ばれるにはきっと、初めからこの方法しかなかった。

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