2章.夢の正体
第1話
「えっ、私が実行委員……?」
私がLHR終了のチャイムと同時に目を覚ますと、黒板には「実行委員:雨宮冬華・相生水稀」と大きな文字で書かれていた。
どうやら水稀と一緒に実行委員長をすることになってしまったようだ。
「俺もかよ……」
同じくLHR中に寝ていた水稀も、黒板に書かれている文字を見て驚いていた。
「あぁ、雨宮さんと相生くん。起きましたか」
「起きましたか。じゃないですよ……。なんで俺たちを実行委員長にするんですか?」
「実行委員長がなかなか決まらなかったので、起こしても起きなかった二人を勝手に選びました」
「えっ……」
「もちろん拒否権はありますよね?」
「あると思いました? ありませんよ」
「なんでですか! 俺たちに人権がないって言いたいんですか? 帰らせてもらおうか!」
水稀は声を荒らげて言い返す。
「逆ギレして誤魔化そうとしても無駄ですよ? あぁ、実行委員の会議が十七時からあるらしいですよ」
私たちが時計に視線を移すと、時計は既に十七時五分前。
「もう五分前じゃないですか」
「知りませんよ。あなたたちが寝ていたのが悪いと思いますが」
先生はそう言うと踵を返し、教室から出ていってしまった。
「はぁ、行くしかないのか……」
私たちは見合ってため息を吐くと、観念したように会議に向かった。
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