48話 決戦!使者対オバちゃん達 その2
「マーシャちゃん、強襲で一気に叩いちゃいましょう」
「了解っすよ、速度更にマシマシっす!」
物凄いスピードで卵に向かう二人、アンジェリカは既に足が浮いており、必死にマーシャにしがみついていた
「ま、マーシャちゃん流石に早すぎよ、オバさんすでに宙に浮いてるから!」
「申し訳ないっす! 少しゆっくりいくっすよ」
卵までたどり着くと、そこは盗賊たちだったものの残骸が散らばっている地獄絵図であった。
「こりゃ、酷いっすね。アレを何とかしないと街もああなっちゃうっすよ」
「生まれてくる孫のためにもそうはさせないわよ。ふふ、今からおばあちゃんって呼ばれるのを楽しみにしてるんだからね」
するとアンジェリカがマーシャの後ろで体勢を立て直すと魔力玉を作り出す。そして、下では騎士達とリヴァイアサンが使者の使い相手に奮闘していた。
バスケットボールほどの大きさになった玉を今度は圧縮しソフトボールほどの大きさにする。
「卵の割れ目に球を投げ込むわね」
「了解っす、ではもう少し近付くっすよ!」
マーシャはゆっくりと卵の割れ目に近付いていく。
「うへ、卵の中身もキモいっすね」
「しかも徐々に産まれてるわね、これを潰さないと大変なことになるわね」
そして、卵のすぐそばで使者の脱皮は進んでおり、新たな姿が見えだしていた。姿形は大きく変わってはいないが、大きさが一回り程大きくなっているのだった。
「凄いわね、さらに大きくなってるわよ。流石にこれ以上大きくなられるとロープ足りなくなるわね」
「むしろ、あのロープにそそぐ魔力で足りるんすかね?」
「まだ、何とかなる大きさね。さあ先に卵の処理ね」
そして、アンジェリカは卵の割れ目に向かって魔力玉を投げ込んだ。
「さあ、マーシャちゃん急いで上昇して! はじけるわよ」
「了解っす!」
マーシャが高速で上昇する、そして騎士団のほうへと向かう、するとアンジェリカが騎士団へと叫んだ」
「卵から成るべく離れてね! はじけるわよ!」
アンジェリカの声を聴いた騎士団員たちは聞こえていなかった団員達にも伝達し、使者の使いをけん制しつつ後退していった。
そして数秒後、轟音と共に卵から火柱が上がるのであった。
ただ、その瞬間に卵も出来る限りの使者の使いを放出したのであった。
「よし!、お前たちアンジェリカ殿とリヴァイアサン殿の助力で卵自体は退治できた! 残りの使者の使いを殲滅するぞ!」
「「おおー!」」
サントスはすかさず団員たちを鼓舞すし、掃討戦へと移ろうとした。
だが、その時であった、タイミング悪く脱皮を完了した使者の姿がそこにはあった。
そしてゆっくりとした動きで一歩前に出た。
「何と言うタイミングだ。各員警戒態勢を取りつつ使者の使いを出来る限り倒せ!」
サントスが叫ぶ。
「アジャルタさん、予定より少し早いかもしれないっすね」
「ええ、でも作戦通りには進んでるわね、なんとかして使者をロープ有効範囲まで誘導しましょう」
アンジェリカは懐からお香を出すと、そのお香に魔力を込める。すると甘い匂いが漂いだした。
「うへ、甘ったるい匂いっすね……」
「油黒虫の好きな匂いらしいのよね、これが使者に通用するかは分からないけどね」
使者は触角を左右に振るとアンジェリカ達の方に触角を向けた。どうやら使者は触角で匂いを嗅ぐことができるようだった。
「お? 誘いに乗ったようっすよ」
「そのようね、でもあのタイプの油黒虫は雑食だから他の匂いにもつられてしまいそうで怖いわね」
アンジェリカは魔力でカラスの姿をした魔力玉を作り出すしメッセージを録音する。
魔女魔法の一つで相手にメッセージを届ける魔法であった、問題があるとしたら対象も魔女でないと魔力玉に気付けないと言う事だった。
メッセージを飛ばすと、アンジェリカ。
「さあ、メルリカさんにメッセージは送ったわよ、少し早いけど作戦の最終段階よ」
「了解っす」
こうして、作戦の最終段階へと進むのであった。
次回『来いよ! 使者!』でございまーす
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