四月九日(水)
今日は自己紹介の時間に面白い奴がいた。
柊 有紀(ひいらぎ あき)とかいう男子。
自己紹介のとき、自己紹介では部活動と前のクラスさえ述べればそのほかの内容はなんでもいいのだが、彼は
「僕は平和が好きです。喧嘩をすると誰かが批判されてしまうからです。正しいものがなくとも、正しさが生まれてしまうからです。こんな臆病な僕ですが、みんなと仲良く平和に一年暮らしていきたいと思っています。よろしくお願いします。」と言っていた。
自己主張が強いのか、臆病なのかどっちなのだろうか。
みんな彼の発言に一瞬戸惑っていたが、その次の平田 優馬とかいうやつが夢にこの学校でたくさん勉強して世界牛耳ると掲げていたので、クラスは爆笑(?)の渦に飲まれ、みんなの彼への興味は消え失せ、平田へとうつっていた。
世界平和からの、世界征服。これで平田がわざとじゃなくて、本気で世界を取る気持ちを掲げていたら面白いなって思った。
僕は柊が少し興味深くなって、声をかけたかったけど、生徒会の集まりで話しかけられなかった。平田は、クラスの中心的存在となっていた。確かに、ユーモアがあるし頭も切れる、彼は面白いやつだなって僕も思った。
今日も休み気味の奴は来なかった。名前は佐藤大地とか言うらしい。
隣の席の関さんは、ずっと下を見て俯いていた。
たった1日で、クラスの人間関係というのはいとも簡単に構築されてしまう。
あっという間に女子たちの中にグループができ、
休み時間には写真を事あるごとに撮っていた。
SNSには記念でもなんでもない写真で埋め尽くされていた。
去年みたいな一年が、始まった。
去年みたいな一年に、なるのか。
追記:ところで、この日記に僕の名前を書くのを忘れていた。
僕は如月涼太(きさらぎ りょうた)だ。
自分の名前なんて自分で知ってるから少し不思議な気持ちになるけれど。
読んでいる人が、親近感をわいてくれたら嬉しいなぁ、なんて
個人情報特定はやめてね!
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