異世界に転生してハーレムをつくろうという企画に乗ったんだけどw
唐傘人形
異世界初心者編
第1話 異世界転生装置
俺はゲーマーのユウキだ。
ゲーマーと名乗りつつもゲームに飽き飽きしていた時のことだ。
『異世界でハーレムを作ろう』という企画が今行われていた。
偶然、そのチラシを見た時には驚きを隠せず二度見下ぐらいだ。
異世界とは何だ、どうしてハーレムなのか理解が追いつかないが『無料! 簡単に誰でもOK』という謳い文句だ。
無料という響きはなんとも魅力的だ。
これで糞な企画だったら、時間は損するがそれについてレビュー動画を作ればいいという安易な考えのもと向かった。
会場には人集りができていた。
疫病が流行り今はマスクを付けていても不思議に思われることはない。
だがどう見ても怪しそうな連中がゴロゴロと集まっている。
オッサンが来るのは解るが何故か女子まで居る。
逆ハーレムを期待しているのか。
チラシには性別については書かれていないが、もし男ばかりの逆ハーレムだったら悲惨だ。
何故なら俺は男だからだ。
今更逃げ帰るか。
ネットゲームも初めてすぐに止めて暫くして戻ってきたらサービス終了してましたということが多い。
遊べる時に遊ばないともうその体験は二度とできない。
異世界のハーレムとやらを見てやろうと意気込んで来たんだ。
逃げ帰るということは永遠にそれを知らずして生涯を終えるということだ。
学者風の白衣を着たメガネの男が台の上に立ち話を始めた。
「えー、皆様は異世界に興味があるようで何よりです。
我々は研究の末、異世界へ転送する装置を開発しました」
話が長すぎる。
イヤホンを付け音楽を聞き、聞いている風を装う。
大体、つまらない話を長々と聞くのは嫌なんだよな。
それからどれぐらい説明があったのか、全く聞いていなかったが3分位の曲が15曲目に到達していた。
イヤホンを外す。
「では、初体験したい人は手を上げてください」
ここに来て体験しないとかありえないだろう。
俺は手を上げた。
他にも遅れて手を挙げる者が居たが、一番は俺だった。
異世界に行くための装置が置いてある部屋に通された。
横に寝られるゆったりとした皮の椅子が置いてある。
「書類にサインをしてから席についてください」
壁側に長机の上に書類が置いてある。
なんがごちゃごちゃ書いてあるな。
事故があっても自己責任となりますか……。
まあ無料だし仕方ないよな。
サインを済ませ、席につく。
「この異世界ギアを付けてください」
ヘルメットを受け取ると被った。
3Dとかの疑似体験ができるゲームなのか?
ビビッと電気が流れ全身が痛む。
「ぎあああぁぁぁ!」
目の前に、黒焦げになった自分の姿が見える。
俺は死んだのか。
そんな危険な実験をしやがって死ぬほど痛かったぞ。
拳を振るい研究者の顔面を殴るが透き通り当たらない。
霊に成ったんだものな。
当たるわけ無いか、どうすれば良いんだ。
突然風を感じ体が離れていく。
「うあああぁぁ」
気がつけば俺は異世界に立っていた。
何故そう思うのかと言うと、見たこともない機械の巨人が歩いているからだ。
「ひぃぃっ」
腰を抜かし尻もちを付いてしまった。
痛い……。
「はっはは、どうだ異世界に着た気分は?」
白衣を着たデブのオッサンだ。
「まさか、お前はあの研究者の関係者か?
ふざけんな痛すぎだろう!」
「説明しているはずなんだが、強力なエネルギーを流すことで脳から魂を分離して魂だけを転送するって……」
「そんな難しい話、解るわけ無いだろう。
と言うか、俺はどうなるんだ?」
「好きに暮せばいい。
何もかも自由だ」
「所でハーレムの件はどうなっているんだ?」
「ボウズ、その姿を確認してみろ」
オッサンはそう言うと手鏡を渡してくれた。
なんと10歳ぐらいの美少年になっているではないか。
意外と俺って可愛いんだな。
「いや、何だよこれは。
俺は30過ぎだったんたぞ、それがどうしてこうなった?」
「転生したからに決まっているだろう。
その様子だと説明を聞いてなかったみたいだな」
一時間近くなんか言ってたな。
全然聞いてない結果がこれか。
2時間前に戻ったら、俺自身をぶん殴ってちゃんと聞けよって注意したいぐらいだ。
「聞いてませんでした」
「ここは機械が発展した魔法の世界だ。
魔物とか人外がうようよいて、それをあの兵器で戦っている」
機械の巨人は動きがもっさりと言うか、ドスッ……暫く待って、ドスッって感じでかなり動きが遅い。
「あんなウスノロが戦っているのか。
もっと素早く動かないのか?」
「知りたければその道を真っ直ぐ進めばいい。
王国立の学園が存在する」
学園……、また学校に行くのか?
勉強とか苦手なんだよな。
「ちょっと待てよ。
俺はここでどうやって生活するの?」
「これで美味しいものでも食うといい」
オッサンは袋を渡してくれた。
中には金貨が入っていた。
「これってどれぐらいの価値なんだ?」
「それだけあれば、あの巨人が買えるくらいはある。
戦車一台と思えば解るだろう」
「いや解んない、戦車の値段なんか知らないぞ。
でも高価なんだろうな。
ありがとう」
「では楽しんでくれたまえ」
オッサンが光と共に消えた。
「えっ、まさかさっきの神様だったりするの?」
だったら悪印象だよな。
これって不味いんじゃないのか。
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