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「元気そうでよかったよ。雨にも濡れてなさそうだし」
「あなたはびしょびしょだね」
「俺は気にしなくていいんだ。帰って風呂入れば別に」
「そっか」
「なあ」
「うん?」
「死ぬなとは言わんよ」
「うん」
「最期のお別れの挨拶が好きでしたは、正直きつい」
「うん?」
「もっとさ、なんかこう、いいフレーズは思いつかんのか」
「死ぬから。好きだったから。それだけ」
「ああそうですか。この雨のなか探した俺がばかだったよ」
「わたしを探しに来たの?」
「いや、いいよ。忘れてくれ。じゃ、またな。いや、これから死ぬやつにまたなってのもおかしいか。じゃあ、ええと、じゃあな」
「うん。じゃあね」
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