雨の決断

しゆみう

辛い明日がこないために

どうやら今日は3週間ぶりの雨らしい。


朝起きた時の雲の厚さと雨が降る匂いから今日にしようと決断した。


3週間締め切っていたカーテンを開くと久しぶりに外の世界と繋がった気がした。


ベランダに出ると容赦なく雨が私を叩きつける。こんな雨の日は部屋の中に居ろと言っているようだ。


でも私の決断は揺るがない。


小さい時からそうだ。


ハンバーグを食べに行こうと車に乗せられお店に辿り着いた時 3時間待ちの列をなしていても、すっかりそこのお店のハンバーグを食べる気分だった私は諦めることができず泣き叫んだ。


大学受験では第1志望校に受かった瞬間、他のもっとレベルの高い大学の受験を辞めた。


だからだろうか。


自分の才能をいつまでも過信していたのは。


自分なら大丈夫と進んでしまったせいで

後ろに戻るにはお金と時間を使いすぎてしまった。前に進むほど気力がない。


でも大丈夫。


私はこの瞬間から変わる。

もう惨めな自分を目の当たりにしなくても済むように。



私は1歩踏み出した。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

雨の決断 しゆみう @platycodon

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る