進め!にゃんにゃん

これがわたしのとっておきの話にゃ。

わたしの、みんなと出会って生きてきた全部がとっておき!


白い猫はかつてのクラスメイトたちの前で胸を張って語り終えた。


懐かしい懐かしいクラスメイトたち。

わたしの大好きなお友だち!


わたしたちはまた約束の下に集った。

笑顔でこんなこともあったと。

あの後あんなことになったんだと。

それぞれのとっておきの話を終えて、


じゃあ、またね


ってみんなで別れを惜しんだ。

また会えるかもしれないし、会えないかもしれない。

卒業の日とは違うさびしさが胸を重くする。


それでも、わたしは言いたい。

「みんにゃ!今までありがとう!」

笑ってね。





同窓会の後、わたしはももちゃんの親友の後についていった。

左腕を無くしたその子は、

「おみやげ、絶対喜ぶと思うんだ」

と言って地下通路へ入って行った。


あの、恐怖の地下通路だった!


今なら大丈夫だよ、って言って手招きしてるけど、それでも!それでも!

野生の猫の本能が危険だと叫ぶ!!

とりあえず威嚇しながら地下通路へ入っていく。無駄だと思いながらも止められにゃい…




出口が見えてきた。




小さな影が向こうから手を振っている。




懐かしい声が、聞こえる。




「おかえりー!」

「ももちゃーん!おみやげ連れてきたよー!」




気づけばわたしは走り出していた。


ももちゃん!

ももちゃん!!

ももちゃん!!!

ももおねぇちゃん!!!!


長い尻尾と一緒に涙の粒が後ろに流れていく。


あの日欲しかったあの子の笑顔が、今すぐ側にある。


真っ赤な彼岸花が咲き乱れる花畑で、わたしは再びももちゃんと出会ったのだった。


喜びが永遠に咲き乱れる、再会の日。

桃と桜が咲き続ける、あたたかい幸せな日。

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