心代わりの【精神】魔法使いは、壊れてからが本番です!!!

翡翠まな

【転生編】第1話 お決まりの転生

 目が覚める。眠い。


 毛布を、首元を覆うように引き寄せようとするが身体の周りにはちくちくとした感触がして地味に痛い。


 …?


 なんだここ?

 狭いし、夜だからって暗すぎないか?てか、熱くね?


 周りからはすすり泣く声が聞こえる。誰かが暴れているのか、怒号も聞こえた。


 今、理解した。

 この線香の匂いとたくさんの花が身体の上にある状況。…棺の中かもしれない。


 いや、棺だな。


 ってことは、下からの熱が増しているのって火葬?


 やばい、死ぬ。

 死ぬのか俺!あ、身体の感覚が消えてきたな…




 こうして、主人公は日本で死んだ。

 火葬にいくまでの記憶は無いし、その前に死んだはずの主人公が目を覚ますことがないはずなのだが、そんなことは置いておく。 

 ただ、熱さで苦しみもがくことが無かったことが、死ぬ主人公にとって幸いであった。



ーーーそして、主人公は転生する。

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