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    澁澤龍彦の本を読んだとき、我が身を虎に喰わせて虎の体で天竺へ行く、というのを覚えているのですが、即身仏も、我が身を捧げてでも神仏の側へ辿り着きたいという、もう執念というか、理屈を超えた激しい思いを大三郎も持ったのだと思うと感慨深いですね。間違いなく、人間の魂が彼にはあったんだと思う。

    作者からの返信

    祟期様、ありがとうございます。
    『高丘親王航海記』の虎の逸話でしょうか? 私も奇妙なインパクトを以て記憶しています(澁澤龍彦では『東西不思議物語』や『唐草物語』も好きでした)。
    人形や人を象られたものに宿る魂というのは永遠に興味深いテーマだと私も思います。単純に、心を得ようとするロボットなどの話が好みなのもありますが……
    この話の偶人も、そういうものの一つとなれていたなら幸いです。