第16話 雑貨屋ファンシー&ガーデン
武具屋ハンマー&ナックルを出てしばらく歩いていると、一軒の店が目に入った。
看板は何が書いてあるのか解らないが、道具屋だろうか、色んな物が置いてある。店の中には回復薬っぽい物もあったので丁度いい、買おうと思い店に入る。
「いらっしゃいませ、ファンシー&ガーデンへようこそ」
ファンシー&ガーデン? 何処かで聞いたような、それに店員の女の子は猫耳の獣人メイドだ。
胸がデカい。
「すいません、ここは道具屋ですか」
「どちらかと言えば雑貨屋ですね」
確かに、色々な物が置いてある。何に使うのか分からないファンシーグッツの方が多く置いてある。一応ダガーや弓、革の鎧などの装備品や服、肌着などが置いてある。
しかし、
圧倒的に女性物の服の方が多い、女性の下着などのランジェリーが所狭しと並んでいる。一応男物の服や肌着など置いてはあるが、少ない。
場違いだ、俺は場違いな店に入ってしまったようだ。
「お客様、どうしましたか」
「すいません、ここって女性専用店でしたか」
「いいえ、そんな事ないですよ」
「そうですか」
男の客も居るのか、少しだけほっとする、しかし、女性向きの店である事は間違いないようだ。さっさと買い物を済ませるか。
「何をお探しでしょうか」
「服とズボン、肌着と、それから回復薬を3本下さい、それと財布用の小袋も、あ、それと冒険者セットもあれば下さい」
「解りました、服とズボンはこちら、肌着はこれなんかどうでしょうか」
獣人女性店員は、まず衣類などを見繕ってきて、俺に見せに来た。だが、
「少し派手じゃないですかね、もう少し落ち着いた感じで」
「じゃあ、これなんかどうでしょう」
「あ、はいこんな感じで、肌着は3枚欲しいです」
「では、こちらの新品をお買い上げで?」
「はい」
「ありがとうございます、回復薬を持って参ります」
「お願いします」
少しして猫耳店員が戻って来た。
「お待たせしました、それとこちらが盗難防止用のアラームの魔法が付与された小袋です」
「マジックアイテムですか、高いのではないですか?」
「1500Gになります」
1500Gか、盗難防止用だし買うか。
「それじゃあ、それも下さい」
「ありがとうございます、それと、こちらが冒険者セットになります」
そう言って、猫耳店員は一つの道具袋を用意した、一応中身を確かめる為に、道具袋の中身を確認する。ロープに松明、火打石、綺麗な布数枚、小さいランプが一つ、非常食の携帯食3日分、革でできた水筒が一つ、あとは傷薬っぽいのが2本入っている、うむ、一応冒険者セットとしては揃っている感じだ。
「これも下さい」
「ありがとうございます、・・・全部で1万7千Gにおまけしておきます」
1万7千? 高!
・・・だけど服なんてこの世界意外と値が張るのかもしれないな。
「わかりました全部下さい」
「お買い上げありがとうございます、それとお客様、こちらは当店のサービスです。どうぞ」
そう言って、猫耳店員は何か黒っぽい布か何かの物を渡してきた。
「なんですか、これは」
「ガーターベルトとストッキングです」
「え、すいません私には必要ないんですが」
「サービスですのでお持ちください」
「いや、だけど・・・」
「それなら冒険者仲間の女性に差し上げればよろしいかと」
「冒険者仲間、ですか・・・」
ルビーさんぐらいしか思い付かない。
「分かりました、貰います」
俺は大銀貨2枚を支払って銀貨3枚のお釣りを受け取った。
「お買い上げ、ありがとうございました、またのご利用をお待ちしております」
結構な買い物だったな、残りは大銀貨2枚と銀貨3枚か・・・節約せねば。
「そう言えば朝から何も食べてなかったな、何か食べよう」
雑貨屋ファンシー&ガーデンを後にして、俺は表通りを目指した。
広場なら何か露店くらいあるだろう、そこで遅めの朝飯にするか。
広場には旨そうな匂いの肉串を売っている露店があった。何の肉か分からないがとにかく1本買うことにした。
「すいません、1つ下さい」
「はいよ、1本5Gだよ」
5Gか、安いのか?銀貨1枚をおばちゃんに渡す。
「おや、銀貨かい、ちょっと待っておくれ・・・・・・はいよお釣り995Gだよ」
「あ、すいません。こういう時銀貨は大きかったですよね。すみません」
「別にいいよ、気にしなさんな」
受け取ったお釣りを、早速アラーム付きの財布に入れる。
肉串を1本かじる、めっちゃ旨い、塩と胡椒のシンプルな味付けだけど腹が減っているから余計だ。あっという間に食べ終わる、もっと欲しい。
「おばちゃん、もう20本ちょうだい」
「はいよ、大銅貨1枚ね」
「はい、これ」
大銅貨1枚をおばちゃんに渡す。
「まいどあり」
紙袋に包んでもらって食べ歩きながら冒険者ギルドへ向かう。
まだ昼前だからギルドに着いてから昼食がてらゆっくり食べよう。
おじさんお腹へったよ
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