第3話

(携帯ぴぽぱぽ)


「はい、お電話ありがとうございます。『えろえろがーる』です」


「あ、これからお願いしたいんですが」


「ありがとうございます。女性の方はお決まりでしょうか?」


「あ、今日は『3P』コースでお願いしたいんですけど。指名って出来ます?」


「『3P』コースですね?それですと時間の兼ね合いもありますので。今空いている女性の中からご案内でもよろしいでしょうか?」


「はい。今すぐは誰がいけますでしょうか?」


「○○ちゃんと〇〇さん、○○〇ちゃん、〇〇〇ちゃんですね。すぐならこの四人の中からとなります」


「あ、ちょっと待って下さい。○○ちゃんと〇〇さんと○○〇ちゃんと〇〇〇ちゃんですね。一回ホームページ確認してからまた電話しますね」


「はい。お電話お待ちしてます。もし女性の方にお仕事入りましたらそちらを優先とさせていただきますのであらかじめご了承ください」


「あ、はい。すぐにかけますんで」


(電話がちゃ)


「んーー、ホームページを確認っと。お、よく分からん。でも〇〇ちゃんと〇〇〇ちゃんがいいかなあー、よし。すぐに電話しよ」


ピンポーン(ホテルの部屋のチャイム)


「あれ?まだ電話してないのに。誰やろ?」


(ドアを開けるとおときさん!!)


「北斗神拳の戦いに二対一の戦いは無い。例え相手を倒したとしても、それは勝利ではない」


「いやいや。あんた誰?」


「おときだ!!」


「いや、それはええから。フロントに電話するよー」


「あ、話だけでも。君はこれから『二対一』の戦いをするんだよね?それはちょっと。ねえ。例え相手を倒したとしても、それは勝利ではないから」


「いや『勝つ』とかじゃないから。あんましつこいとフロントに電話するよ」


「あ、いやいや。だからね。私が入れば『二対二』ですよね?」


(ホテルの電話でフロントにコール)


「すいません。部屋に変な人が」


「いやいやいや!私は決して怪しいものでは!!」


おときさん。世の中の『二対一』を否定する男。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る