これまでニコ生主やゲーム実況、朗読動画投稿者として活動してきた彼は、YouTubeのおすすめに表示されたVTuber動画を見て思った。「あ、なろう」。そして彼は始めるのだ。持ち味である“小説”を生かした、言うなれば執筆系VTuberとなる活動を。
というわけで、こちらは著者さんのVTuberデビューを巡る顛末記です。思い立って行動へ出て、ひとつひとつ手探りで問題へ当たっていく様も興味深いのですが、そこへ書き込まれた心情や思惑がおもしろいんですよ。著者さんの覚悟――ご自身をネタに書き抜くんだという気概とも言えますね――で実現した赤裸々さによって、ただの実話が上質のドキュメンタリーに仕上がっていて。
舞台裏のお話はそれだけでおもしろいものですが、読み物へと昇華するにはドラマ性という名の赤裸々さが不可欠。ご自身をしっかり晒してネタにできる心意気があればこそ、このエッセイには粋が光っているのです!
すでにチャンネルは開設していますので(作品の紹介文にURLも載っています)、ぜひ併せてご覧くださいまし!
(「“粋”のいいネタ!」4選/文=髙橋 剛)