#140字小説 7月

晴れ時々雨

第1話

至高のうんこがあるという。確か前に経験したことがあったような、押し寄せる排泄欲、直腸の震えに伴う痛み、白い便器に座したとき全てから解放される、いや開放される至福のひととき──苦しみから捻り出されたブツは純白の便器でぬめった輝きを放つ。バナナ3本分が理想だそうだが私のは140字だった。

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すっかり忘れて、火のついた煙草を耳に掛けるから生え際の髪は燃えて縮れてそこだけ短いのだった。二つ以上のことをするのに向いていないのだろう。しかし彼は理想を実現するかのように折り目と破れ目のあるデニムを好み、破れ目から覗く膝横の骨の上に、30枚入のピンクの絆創膏を貼るのだ。今日も。

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