マジックスターター ~魔法使いが無双する~

神城ハクア

第1話

此処はカリメア大陸。現在は五国を交えた戦乱の最中。アハト王国が小国のメルクリアを我が物にしようと軍を進める。


「皆急いで! アハトの軍勢が近くまで来てるよ!」


 銀髪の少女が撤退命令する。


「だめだもう追いつかれるぞ! アイシャ様だけでもお逃げください!! 」


「追い詰めたぞメルクリアの軍勢よ、王の野望のためにここで仕留めさせてもらうぞ」


「そんな……。 神様お願いです。どうか、どうかこの危機を救ってください」


 少女が涙を流して泣き崩れると、突如として地面に魔法陣が現れた。


「これは召喚魔法!? こんな広範囲で強力な魔法陣誰が!? 」


 すると光の中から一人の人物が現れた。


「んー? ここはどこだ、何故俺は外に居るんだ?」


「やつの召喚魔法か! ええい臆さず殲滅せよ!! 」


「あぁ殲滅? お前らが俺を倒せると思っているのか」


「なっ、この野郎、総員アイツを殺せ! 」


 アハトの軍勢が一斉に男に猛攻する。


「殺伐として相手を観察することを忘れているな。俺が一度頭を覚まさせてやるよ。」



「コルドテンペスト!」



 辺りに氷柱に形成されアハトの軍勢へ次々と放たれる。


「なっなんだこの魔法!? こんな奴がいるなんて聞いてないぞ。撤退だ、一旦このことを王様に報告するぞ」


 アハトの大軍が一目散に退散していく。


「こんなものか、他愛もない」


俺を召還したらしき少女は地面にただ突っ伏して唖然とするしかなかった。


「あ、あの助けていただいてありがとうございます」


「俺が強いわけではない、相手が弱いのだ。さて、取り敢えず難は去ったが、どうするんだ。追いかけて残滅するか?」


「いえ、我々も王国へ帰還します。負傷者も多く出ているので王国から支援を乞います」


「何? 魔法で傷を癒したら良いではないか。」


「なにを言ってるんですか、魔法は敵を攻撃するためのものですよ。傷なんて治せません」


「なんだと、そうかなら見せてやろうか回復魔法というものを!」


「リタニングヒール!」


 負傷者たちの傷が癒えていく。


「なんなのこの魔法は...こんな魔法教始めてみた。回復魔法なんてものが存在したなんて……」


 少女はまたもた唖然とするしかなかった。


「本当に知らないんだな。さっきの奴らを見ても思ったが、きっとこの世界は魔法はしょぼい」



「これだったら王都に帰ることができます。急いで帰りましょう」



 数時間歩いたのちメルクリア王国に到着した。


「アイシャ様がご帰還なさったぞ! 門を開けよ」


勢いよく門が開く。




「ん? 貴様その恰好何処の者だ」


 門番が槍を構えた。


「武器を下ろしなさい! この方は私を助けていただいた、命の恩人である!!」


「なんと! 王女様の恩人でしたかこれはこれはご無礼をいたしました。なにとぞご許しください」


「え……君王女だったの」


「そうよ、私はメルクリア王国王女アイシャ。今からあなたをお城へ招待するわ」


驚愕の事実も歩いているうちに慣れていた。



「ここがメルクリア王国の本拠オラシオ城です、では行きましょうか」



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