あの歩道橋、えきすとらっ!

犬屋小烏本部

『歩道橋』

『歩道橋』


毎日渡る歩道橋

見下ろす町はちょっと狭い

くだらないと吐き捨てて

一人で渡った

スカート翻し


毎日渡る歩道橋

隣の友と笑いあう

いつしかできた親友と

二人で語る

私たちの夢


毎日渡った歩道橋

夕暮れの朱に浮かび上がる

何かは知れないその影に

今日は手を引かれて

まっ逆さま











『一ツ目、歩道橋』


渡れや渡れ

下を見て

一つが不思議、いざ参らん


架かる橋のその下に

望むものが見えている

決して届かぬはずのもの

在りもしない幻か


もっともっとと手を伸ばせ

さすれば怪異が手を引こう

奈落の底から伸ばさる手

奈落の底に連れ去ろう


歩きし道の橋の上

下には何が見えている

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