第6話 給食
給食の時間になった。
エプロンをつけた晴南は同じくエプロンをつけた麻衣子を引き連れて配膳室へと向かった。
配膳室にはすでに給食が配膳車の上に用意されていた。
晴南は給食が入っている大きなステンレス容器の蓋を開けて中身を確認した。
そして晴南が麻衣子に大きな声で言った。
「やったああ!!喜んで麻衣子!!なんと今日はカレーよ!しかも、しかもだよ!」
すると麻衣子が晴南に言った。
「デザートのプリンでしょ。知ってるわ晴南。」
晴南が驚いて麻衣子に尋ねた。
「えっ?麻衣子?なんで中を見てないのに、プリンだって知ってるの?まっまさか?麻衣子は透視が使えるの?」
麻衣子が晴南に言った。
「使えなる訳ないでしょ。」
晴南が麻衣子に尋ねた。
「えっ?それじゃあ未来予知ができるとか?」
麻衣子が晴南に言った。
「そんな訳ないでしょ!献立表よ献立表!!献立表に今月の給食メニューが書いてあったでしょ?」
晴南が麻衣子に言った。
「あっ?献立表か、なるほどね。」
麻衣子が晴南に言った。
「晴南?ツッコミ入れるのって結構疲れるんだよ?もう少しボケの回数減らしてくれないかな?これじゃこっちが持たないわ。」
晴南が麻衣子に言った。
「ごめんごめん麻衣子、さあ給食を持っていきましょう。」
晴南は大きなステンレス容器がのせられている配膳車をひいていった。
麻衣子は食器がのせられている配膳車をひいていった。
晴南は教室まで給食を運び終わると、三年一組の教室に入って大きな声で言った。
「さあ給食を持ってきたわ!!みんな手を洗って並んでちょうだい。」
晴南と麻衣子は配膳台の準備をすると、給食の入った大きなステンレス容器を配膳台に並べていった。
続けて人数分の食器をステンレス容器の横に置いていった。
そして晴南と麻衣子は配膳を始めた。
晴南と麻衣子が並んでいるクラスメイトに一人づつ給食を配っていく。
全員に給食を渡し終えると晴南と麻衣子も、自分の給食を携えて自分達の席に持って行った。
そして晴南が大きな声で言った。
「みんな給食は貰ったわね?」
晴南は全員を見渡した。
晴南は全員の机の上に給食が置かれているのを確認した。
すると拓也が晴南に声をかけた。
「なあ晴南、俺プリン要らねえから。」
晴南は拓也に聞き返した。
「えっ?拓也いいの??」
拓也が晴南に言った。
「知ってるだろう?俺甘いもの嫌いなんだよ。」
拓也はそう言うと晴南にプリンを渡した。
すると美咲が晴南に尋ねた。
「ねえ、晴南そのプリン私にくれない?」
晴南は美咲に言った。
「えっと?そうねえ?ちょっと待ってね美咲。」
晴南が大きな声で尋ねた。
「さあさあみんなが愛する極上のスイーツ、プリンよ!誰かこの極上スイーツが欲しい人はいないかしら?欲しい人は手をあげて!!」
だが誰も手をあげなかった。
すると美咲が笑顔で晴南に言った。
「誰も欲しい人いないみないだね。それじゃあプリンは私が貰うね。」
すると晴南が美咲に言った。
「美咲、まだ駄目よ。」
美咲がきょとんとした顔で晴南に尋ねた。
「えっ?なんで?」
晴南が美咲に言った。
「こんなに早くチャンスが巡ってくるなんてね。美咲!昨日の雪辱を返す時が来たわ!!」
美咲が晴南に笑みを浮かべながら言った。
「ほほう、晴南?まさかこの私にプリンをかけて勝負を挑むつもり?」
晴南が美咲に言った。
「そのまさかよ!美咲!!プリンを掛けてジャンケン勝負を申し込むわ!」
美咲が晴南に言った。
「スイーツを賭けた勝負でこの私に勝てると本気で思ってるの?」
晴南が美咲に言った。
「例えどれだけの絶望的の勝負であろうとも、絶対に諦めたりしないわ!」
美咲が晴南に言った。
「晴南、貴方のその希望完膚なきに潰してあげるわ!」
晴南が美咲に言った。
「無駄よ、美咲。私は希望を捨てたりしない!」
すると晃太が晴南に言った。
「なあ晴南、熱くなってる所悪いんだが、そろそろいただきますしてくれないか?さっきからみんな待ってる。」
晴南が慌てて晃太に言った。
「ご、ごめんなさい!」
そしてすぐに晴南が大きな声で言った。
「いただきます!!」
そして晴南が美咲に言った。
「美咲、給食を食べ終わったらジャンケン勝負よ!!」
美咲が晴南に言った。
「望む所よ!」
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