学校はバカヤロウだ

学校はバカヤロウだ

ぼくがずっと気になってたクラス委員のXXXさんはね、イジメのシュボーシャだったんだって。だからなに。そんなのぼくは見てないし知らないよ。

あークソくらえだよみんなバカなんだ。

スマブラが下手くそなぼくは給食の時間のおかわりをさせてもらえない。

だいたいさ、給食当番をマジメにやってるのあの班の中じゃぼくだけだよ。またメンドーな班長の係をぼくに押しつけやがって。バーカバーカ。はたらかざるものくうべからず、って、先生いつもそう言うくせして無視しないで、ほら。

そうやって中学受験組のRRRくんにグチったら「シャカイシュギ的だね」って。

むずかしい言葉使えるのがえらいと思ってんでしょ、バカヤロウが。

4年生はさ、チューケン学年なんだからって、もうひとまわり大きくなったんだからって、なんだよ、チューケン学年？

中学年でいいじゃん、いちいちメンドクサイよ先生。

どうせさ、来年になっても再来年になっても、なんだかんだ理由つけて、同じように頑張れって言うつもりなんでしょ。バカだなー、大人もえらぶってるくせしてたいしたことない。

お姉ちゃんのおフルのさいほう道具使ったらどうしていけないの。アイドルや女優さんの顔には悪口言わないとダメってルールがあるの。

「QQQさんってハナクソほじって食ってんだよ」ってほんとバカみたいなウワサ。そんで誰にどんな迷惑がかかったの。

ついこないだまで、いけないんだいけないんだって歌ってたくせにさー、アンタがやってるそれは“いけないこと”とは違うんスカ。

もう少しはおにいさんになったんだからとか、中学生になったらもっとたいへんなんだからとか、バカバカバカ。

小学校が終わったら中学校で、次は高校でそのあとはなんか色々あって……とか、知らない知らない。

どーせ大人になんかなれっこないさ、あいつらも、ぼくだって、みんなそう。

小学6年生の次はきっと小学7年生だもん。

バカなお前らはさ、道徳の授業では大喜利大会して、悪口言ってもごめんなさいは言わなくて、はじめのチャイムが鳴ってもずっと消しピンしてて、ほらさっきだって、TTTくんから勝手にTTT菌を発生させてそれでおにごっこしてる。

ぼくはもう注意するのやめたよ。だからぼくも小学生を終われないや。

先生ごめんね、先生が言うような“おもいやり”っていうの、ぼくたちまだむずかしくて。

ねーぼくの悩みごととか心配ごとを、タッカンしてるねのひとことで終わらせないでよ。

“こころとせいかつのアンケート”にキチンと答えたハズなのに、だれもぼくになにもしてくれなかったよ。

おかしいよなみんな、バカだよな全員。なんでふしぎに思わないのかな。

この先数十年、今と変わらずずっとずっと生きていけるホショウなんてどこにもないはずなのに、将来のためだとか、早く大人になりたいだとか、平気で言っちゃう。

地球の気温が高くなっちゃってるとか、オゾンソーが破壊されちゃってるとか、富士山がバクハツしちゃうかもとか、あいつらはそういうのを聞いててちっともこわくならないっていうのかな。

そうは言ったってぼくは、トートい“今”を大切にしようとか思うわけじゃないけど、なんも考えてないただのスマブラが下手くそなクソガキだと周りに思われてたとしたらなんかムカつく。

……こわい。地球っていつメツボーしちゃうのかな。しぬとかころすとかそういうの、ほんとは簡単に言っちゃいけない言葉だと思うんだけど、あいつらやっぱりバカヤロウだから。ぼくがこうやってこわがってるのどうやっても分からないバカヤロウだから。

はあ今日のたいいくつかれたな。これからぼくは、職員室に学級日誌を持ってってから帰らないといけない。

こういう話、FFFくんに話したらもしかしたら分かってくれるかもしれない。FFFくんだけはXXXさんのウワサのこと嘘っぱちだって言ってくれるし、ぼく、信用してるんだ。

あの子はクラスの他のバカヤロウとは違うから。

帰ったらお姉ちゃんとスマブラ練習する。正直メンドクサイけど、あんなやつらにゲームのことなんかでバカにされるのは、やっぱ腹立つもん。

大人になんて絶対なりたくないけど、でも、一生子どものまま成長しないのも、それはそれでつまんないのかな。

まあいいや、考えごとの続きは今日寝る前にすればいい。

地球のバクハツや秘密結社のたくらみはぼくにはどうすることもできないだろうし、だったらぼくはぼくにできることだけ頑張ろうと思う。

きっとそれでいいんだよね。ぼくまだ小学生だし、いいよね。