グルグル回すやつ

 子供たちのデータ収集をする時は、出来るだけ既成概念を捨てる。そうでないと、自分が思っているのと全く違うものを言われた時、霊視できないからだ。


 毘屋覧びやらんの時だ。学校のクラブを聞いていたら、彼は急に手で円を描き出した。


「グルグル回すやつ」

「え……?」


 どんなクラブ?


 ママはついていけずに固まってしまった。しかしだ、子供は子供で、説明に精一杯。これ以上どう言っていいのかわからない。ということで、


「すみませ〜ん。誰か来てください!」


 大声を呼ぶと、光命がやってきた。毘屋覧は光命に今度は説明する。その間、私は携帯電話をいじって、何となくイメージが湧いてきた。私と光命の声が重なった。


「フラフープ!」

「フラフープではありせんか?」


 何だか、こんなやりとりが平和で暖かな日常を連れてくるのだ。


 2021年5月1日、土曜日

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