最近のこと

 いい感じで酔っ払っている。


 うまい酒を飲んだわけでもない。

 楽しい仲間と話したわけでもない。


 ただ、飲んで、躁状態になっただけだ。

 度が過ぎなければ、安上がりな酔い方だ。


 今は、孔明をモデルにした恋愛物語を書いている。

 その人の感じるままを表現するのはとても難しい。

 たとえ、気の知れた旦那の一人だとしても、孔明が一体何を考えどう思って、私を好きになり、子をなすまでになったのかは知らない。好きになり方がわからない。


「颯ちゃんと一緒に子育てしたい」


 と言われたことはあったが。


 呼べば、そばにきてくれるが、凛々しい眉をして、涼しい春風が吹いたみたいな笑みを浮かべる彼の全てを知ることはできない。


 できないから、楽しいのであるし、好きでいられるのだろうが。

 それがわかっていても、文章を書く人間としては、1ミリでもいいからわかりたいのだ。


 しかし、それは、孔明に限ったことではない。他の旦那に対してみんなそうだ。わからないことばかり。どう感じてるのだろうか。


 そこで、判明した。耀は結婚して三ヶ月が過ぎるというのに、好きだと言っていない。でもそれはまあいいだろう。私も言っていないのだから、おあいこだろう。


 今のところ、私は彼に言う気はない。好きでないわけではない。ただ恥ずかしいのだ。知っているだろう、そんな気持ちなど。真実の愛がないと生まれない子供が、生まれているのだから。


 はあ〜、我ながら、乙女心が微塵もない。

 そんな私が、恋愛小説を11個完成させようとしているのだから、この世はやはり修行の境地といえよう。


 どうしたら、目の前にいる夫の心の奥底をわかることができるのだろうか。


 そばに現れては、「パパ!」と呼ばれて、その役割をしている。子煩悩だなと感心するばかりの私。


 永遠のテーマかも知れない。なぜ、旦那が私を好きなるのかは。


 2021年4月4月、日曜日

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る