氷河期みたいな萌え
いつも夕食の時間帯は、小説を書いている。
しかし今日は、一緒に食事をした。子供たちが、おかわりをよそって欲しいだの、夜景が綺麗だのと聞きながら、みんなで楽しく過ごしていた。
久しぶりに、独健と話をして、相変わらずなのを知って、ほっとする。
燿さんは子供たちに人気で、慣れた感じで食事を一緒に摂っている。
焉貴はどっちが子供なのかわからない風で、一緒にはしゃいでいた。
そして、私は見てしまった。光命が子供にあーんをしてやっているのを。
「いや〜! 光さん、
と意見すると、光命は氷河期のような冷たい雰囲気で言ってのけた。
「よいではありませんか。食べたいと本人が言っているのですから」
ものすごく怒っている……。
火がついたように怒るんじゃなくて、言い表しようがないほど冷たい声色と視線で怒る、のだ。言葉遣いが丁寧だからこそ、突っぱねられた感が半端ない。
しかしそれが、妻にとっては萌えなのである。
いいなあ〜、クールな怒り方が、たまらなく魅了する!
そして、
こんな風に怒っている光命をそばで見られることに、感動する。
どんなに手を伸ばしても届かなかった彼が、心も物理的な距離も本当にそばにいると強く感じるから。
2021年1月25日、月曜日
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