訴訟屋エジソン、銭ゲバライト兄弟

確門潜竜

第1話 それは自慢では?

「江戸旗本事情」(講談社文庫 小川恭一著)は、大変面白い本であり、ぜひ読むことをお勧めしたい本です。

 その第七章「旗本の経済学」でP347~351「三十俵三人扶持の生活」で大久保仁斎という御家人の文章なのですが、この俸禄では生活出来ないので、一家を挙げて内職をして何とかやっている、現在借金はないが、誰か病気をして薬代で借金が出来たら、内職を増やさないとならない、と書いています。同書では、旗本、御家人の困窮した暮らしの証拠として紹介しています。

 でも、ここで見方を変えると、

・我が家には借金はない。

・借金が出来たら、内職を増やせば何とかなる。

とも読めないでしょうか。

「まさに、稼ぎに追い着く貧乏なしですよ。ははは…。」

と読んだら過ちでしょうか。上に上げた二点を念頭に持つと、借金に追われる武士だけの江戸時代後半とイメージが変わってくるのではないでしょうか?

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