第8話
ようやくオフ会会場モンアド酒場にたどり着いた。
「お客様、ご予約団体名をお願いします」
オフ会するにあたって決めてある団体名を叫ぶことにした。
「恩師様のメイドと執事のパーティーで」
「ご予約確認いたしました。では生態系を築け!狩猟者たちよ!!」
「生態系を制して見せよ!人間たちよ!!」
店員はにっこり笑い席に案内した。
モンアドの名セリフである。こういったオタクショップではそのゲームやアニメ、アイドルにちなんだ掛け声をノリ良くするのがブームだ。
「あ、もしかしてスライム
「お先入ってまーす」
既に冥土さんと死辻さんらしき人物は来ていたようだ。
「そうだよスライム師だよ、リアルであるのは初めてだね冥土さん死辻さん」
チャットから拾った声を鑑みるにおそらく最初に話しかけてきた人物が冥土さん。
その次に話した人物が死辻さんだと思った。
「あ、改めて初めましてスライム師さん。
「私の方も初めまして死辻です」
冥土さんは元気いっぱいの大学生といった感じで容姿はある一部分に注視してしまうほど魅力的な女性だった。
対照的に死辻さんはザ・オタクといった感じのメガネをかけた腐女子という言葉がなんとなく似合いそうな女性だった。
「うん、よろしく」
当たり障りない挨拶をすると注文を始めることにした。
「とりあえずスパイシービールと病み付き肉ください!!」
「私はモンスターハーブコニャックをストレートで3つほどとドンカジキステーキをください」
「俺も同じくモンスターハーブコニャックの水割りを持ってきてくれ、つまみは……そうだな薬草サラダの回復薬ドレッシングと携帯食料を」
各々好みの飲み物を頼んだ。
「いやあ死辻さんはかなりイケる口なんだね」
「そうなんですよ死辻とはリア友でもあるんですけど、この子飲み放題の店に行ったら出禁喰らうほどなんですよ」
「うちは酒は飲まれるまで飲めと言われてる家庭なので……」
バウヒュッテはそんな家庭あったらどういう教育をしているんだと言われるが飲み放題を出禁になる人ならそんなふうに教えられるのも無理はないだろうと苦笑いをしていると
「そういえばスライム師さんは外国の方なんですか?」
「ん?ああ、一応出身はアメリカだけど孤児だから生まれはわからないかな」
「あ、すみません」
「大丈夫大丈夫」
孤児というのはもちろん嘘でそういう設定だ。
アメリカ政府の方も孤児というよりは魔術関係で戸籍を隠蔽する必要のあった家系だと思っていた。
魔術関係は一般人に知られていないように機密部分が多いため暗黙の了解として魔術師には戸籍の偽装を容認していた。
「でも冥土さんと死辻さんがリア友だったのは意外だったかな」
「それ、よく言われるんですけど。死辻がこんな格好をし始めたせいでそういわれるようになったんですよ」
「こんな格好?」
「ほら死辻、眼鏡を取って」
「私眼鏡取ると何も見えないんだけど……」
「いいからいいからスライム師さんに見せてあげて」
冥土さんに言われ死辻さんは仕方がないといった感じで眼鏡をはずすと
「……ぉぅ」
思わず声をあげたくなるほどの美女がいた。
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