第45話 アネエサの国

 最強と自惚れていた男達、3人がかりで私に敗北した事で、私に対しては謙虚になり。

 サヨに預け、訓練せんのうする前3人に聞きました。


「おまえたち、まだあのりょうしゅに、ちゅかえるきか?」

 あれっ?今日は滑舌が良い···素でこれだけ話せたら、会話スキルで普通に話せそう。


「「「いや、あの領主、金払いが良いだけのクズ、アネエサ様を知った今、どうでも良い男です」」」

(会話!)

「そうか?私はもっとクズかも知れんぞ!お前達に無償奉仕させる気でおる!」

「「「金は不要!修業指導願います!!他はあの旨い食事で充分!」」」


 ◎◎◎


 この男達は脳筋、脳まで筋肉で出来てる。

 この旅の間に少し手解きしてやるか。

「会話!

 サスケ?王国?私が女王になる?」

「はい!規模にすれば、もっと小さい国が多く在ります!!

 アネエサ様が王国を名乗られたなら、中規模の王国になります」


「建国はどの様な手順を踏めば良い?」

「宣言すれば、言った者勝ちです!!宣言して弱ければ他国に滅ぼされ終わるだけです」


「そうか···建国···か」



 ◎◎◎



 道中不味い干し肉を、何とか食用として、耐えられる程度の加工が出来ました。


 道端に生えてる細い木程の太い茎を、何だ?と何気なく鑑定すると「ニンニクの茎」と判明!

 行軍を止め、掘り起こしカボチャ程デカイニンニクを、10っ固もゲットしました。


 途中ニンニク掘りをしたにも拘わらず、野営予定地に到着したのは、昼過ぎでした。


 時間に余裕はある、100人程に不味い干し肉を細切れ粉砕させました。

 粉砕干し肉を水にさらす、どす黒く臭い水分を絞り取って、岩塩と猪油それに微塵切りニンニクを混ぜ、繋ぎに小麦粉少々入れグチャグチャ粘りが出るまで捏ねます。

 まるで私がやってるような説明ですが、当然やらせています。


 戦利品の中に、風呂桶かと思われた、デッカイ鍋2つ、それで根野菜肉芋を煮込み、水で練った小麦粉、耳たぶ位の柔らかさを団子にして投入、団子汁!!の出来上がり。

 団子と言っても丸く無いですよ、潰して火の通りを良くした物です。


 しつこく残る生臭さを、ニンニクと焦げた香ばしさで誤魔化した、薄く焼いたハンバーグらしき物。


 団子汁もハンバーグみたいな物も、大量に凡そ2000食はあったはず。


「「「何だぁ!!これがあの干し肉?旨ぁい!!!」」」

 大好評で、全く残らず完食してくれました。

 私は、生臭さが気になりましたが、恵の森領民達にも好評でした。


 こんなので喜ぶな!!

 唐揚げもハンバーグも、その内本物作ってやる、本物食って驚くなよ!!


 調理を主にやってくれた、給食担当兵に聞いた所、鍋に干し肉を入れ煮る、それに水に溶いた小麦粉を、かき混ぜながら入れる、ドロドロになったら出来上がり。

 生臭く粉っぽい食事を、日に2度それが毎日続いたそう、毎食の食事が拷問だよ。


 そんなの食ってたら、芋を煮て岩塩着けただけでも感激して食ってた、納得だよ。



 食後談話している兵達に宣言します。


「会話!

 皆聴いてくれ!!

 そこのクズ領主を処刑した後、私は、アネエサ王国を宣言します」


「?王国?」

「我らが王国の防衛兵?になる」

「王国の民に?」



 暫く意味を噛み締めていた兵達が、喚声を挙げました。

「「「「「「「「「「「「おぅーーっ!!!」」」」」」」」」」」」


「「「「「「「「「「おっーーーーーー!!!」」」」」」」」」」




 ◎◎◎



 4の開拓村、3の開拓村、3の村、それぞれからの召集兵達が帰って行きます。

 村は寂れた感じで活気が無い、住居は掘っ立て小屋、痩せた住民達が、無事に帰還した召集兵達を涙ながらに迎えて居ます。

 貴重な働き手を、強制的に奪われ、村の運営も滞ってたみたい。


 各隊の隊長に金貨10枚を渡すと。

「アネエサ様!大金有り難う御座います!!中央領主は「村に金貨3枚を成功報酬として与える!!」とふんぞり反って言っておりました」

「アネエサ王国の件、村長や村人に根回しして置きます!!」


 召集された農民兵は、全員無事帰って行きました。


 村の惨状に同情半分のお金だったけど

(あれっ?金貨3枚?え~と12村から各50人程召集、一人銀貨6枚の所銀貨20枚渡したって事、出し過ぎたぁ!!!)

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