第20話 酋長の製鉄

 体長50センチ程の10匹以上のカエル、タロウ達は嬉しそうに、脚を切り取り私に渡して来ます。

 足ヒレの付いたカエルの足!!それもデッカイカエル足(ひぇ~~っ!!!豚足より不気味)

 ネズミを口にくわえ、誇らしげに見せに来る猫か!!


 でも、摘まんで収納します、トホホ!!

 革袋余ってる、収納袋製作して配布が急務だね!



 まだ進化に馴れないのか、二人はボ~~っとしています。

 蜥蜴人は当然服を着ませんが、でも少女にしか見えないアニーとアリーが素っ裸は頂けません。


 薄ピンクの、綺麗な赤ちゃん肌の二人は、紛れの無い美少女に見えます。

 短髪の頭髪は萌えるような、違った燃える様な紅!!薄ピンクの肌によく合ってる。


 収納の布っ切れを縛り付け、腰巻きと胸当てにしました。


 胸はまだ膨らんでは居ませんが、ってドラゴニュートって胸が膨らむの?母乳不要種族の胸、不要なはずなのに乳首らしき物は確認出来た、果してどうなる?


 応急の腰巻き、歩く度に横から見ると、チラチラ可愛いワレメちゃんが見えるのは、ご愛敬です。

 身長が極端に低い、私の視線だから見えた?

 身長65センチ、私の視線、横を向くとアニーのお股の位置でした。

 私しゃオッサンか!!何が嬉しい?


 アニーとアリーはタロウ達が、懸命にカエルを捕まえて来て、進化を手伝ってくれた事は理解しています。

 蜥蜴人の村に着く頃には、ワイワイきゃっきゃと、会話がはずんで居ました。

 タロウ達が見ても、アニーとアリーは美人に見えるようです。

 タロウとジロウは、ちょっと異常にテンションが高い、ハナが焼き餅焼きそうな位です。





 変異種進化が、気になって居たのでしょう、酋長達が総出で迎えてくれました。

 でも、酋長達はキョロキョロ見回しているだけです。

 酋長の前に二人を立たせ、「酋長、アニーとアリーは小竜人変異種に進化したよ」

 余程驚いたのか、私にも驚いた表情が分かりました。

「なっ、なんですとぅ!!!この子達が孵化したての新生児じゃとぅ!!!!!なっ、なんじゃこりゃぁ!!!!!」

(なんじゃこりゃぁは無いでしょう!アニーとアリーが可哀想だよ!!!)

 酋長達は、上位蜥蜴人進化ハイリザードしんかを期待をしていたとかで、予想外の事に取り乱したようです。


 でも、非常時に本音が出ます、アニーとアリーを同族と見なさないと言う事でしょう、二人は私が引き取り育てますよ。





 翌日酋長と製鉄について、話をして居る最中に、二人男児が孵化したとの知らせが入りました。


 製鉄指導が粗方終わり、ちょっと渋る酋長の許可を貰い、新生児の命名、変異種進化に向かいます。

 男児はアリタにリゲタと命名しました。

 アニーとアリー含む全員が同行する事になってしまいました。


「カエルは10匹限定だよ!!!」

 カエルの足、これ以上収納したく無いよ!!また10匹の20本!!フニィ!!!

 あっと言う間に、カエルが10匹、アリタとリゲタにナイフを持たせ、順に刺して行かせます。

 流石に生まれたて、全く理解出来ていない様子ですが、進化はしっかり発動しました。

 メキメキ音を立てて成長しています。

「フギャア!!!!!い、いたぁい!!!」

「いたたたたぁ!!!!痛いよぅ!!!」

 孵化したてには、ちょっと酷だった、見ているのが辛い苦しみようです。


 本人も見ている方も、ぐったりの進化でした。

 アニーとアリーは、痛かった進化を思い出し、泣いて居ました。

 私は、貰い泣きする余裕もなく、渡されたカエル足を収納してました。


 アリタとリゲタを鑑定すると、間違いなく小竜人変異種レッサードラゴニュートへんいしゅに進化して居ました。

 アリタとリゲタの容姿は、紅の髪に薄ピンクの綺麗な肌、二人とも女の子のような可愛い顔をしています。アニーと比べると、鱗が少し大きく太くて長い尻尾です。

 本人達は全く気にして居ないようですが、美少年のフリチンは目の毒、紐で縛るボクサータイプの短パンを、前後ろ反対に履かせ、詮木(牛小屋の前、横に差し込まれた木の名)穴から尻尾を出しました、上着はヒラヒラ半天、タロウ達とお揃いです。


 男物の下着なので、ぼろ布と纏めて収納して忘れて居ました。

 アニーとアリーにも前後ろ反対に履いて貰い、詮木穴から尻尾が出ました、上はこのままの方が可愛かな?その内まともな服を縫ってあげる。


 アリタとリゲタの面倒は、ハナとチャメ達がしっかり見ています。

 過剰な面倒見をしてます。

 可愛い弟が、出来たように思って居るみたいだね。



 村に帰ると、酋長達は鍛冶用の炉を組んで居ました。

 変異種進化は既に興味を無くしていて、「小鬼の村に行く」と告げると、作業に夢中で生返事が返って来ました。

 周りに話を聞いている、蜥蜴人が大勢居た為、酋長に伝わって居なくても大丈夫、と言う事で小鬼の村に全員で向かいました。



 小鬼の村訪問は、工業の進み具合確認と、タロウ達の仲間を加えるのが目的です。


 村長が嬉しそうに案内してくれました。

 一軒一家で運営していたり、二軒三軒が共同で運営したり、生産が上がる工夫がされて居ます。


「村長!!この調子で頑張って!!想像以上に上手く回ってる!!!」

「嬉しいお言葉です!!より一層頑張ります」


「話は変わるが、村長、小鬼の幼児は何人居る?」

「鬼の村長に親が殺された、孤児が二人居ります」

「命名し鬼変異種進化させて、タロウ達の仲間にしても良いか?」

「領主様が、孤児の世話をして下さるのは、大歓迎です」

「孤児2人はどこ?」

「連れて参ります!」

 連れて来られた孤児は、二人共幼女でした。

「ここを離れて、私達と暮らす事になるけど、良い?」

「「はい」」

「二人に名前を付けるよ、あなたがスミレで、あなたはアザミ」


「私はスミレ私はスミレ」「私はアザミ私はアザミ」

「早速だけど、スミレ、アザミ私達の村本拠地に帰るよ!」

「「はい!!」」


「村長、バタついて済まん!」

「またのお越しを待って居ります」




 蜥蜴人の村に入って驚いた!!

 鍛冶用の炉に火が入って、鉄材を叩いて簡単な金床を造り、本式に剣を打って居ました。

 半日掛けて、徐々に炉の温度を上げ、慣らしたそうで、炉が壊れるリスクより、早く鍛冶仕事が遣りたかったとか。

 蜥蜴人ってドワーフかよ!!!

 正体不明の鉄屑を、全て置いて本拠地に向かいました。

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