この世界の水について

質問が多いのでまとめておこうと思います。


どうしてテスラでは人々が水を飲まないのか?

といったような質問ですが、それに関してはこの小説を書く前に参考にした中世ヨーロッパ、もしくはそれ以前のヨーロッパの人々の生活から来ています。


簡単に説明すると、まずヨーロッパでは元々、大昔から水をそのまま飲む習慣がなかったようなのです。

田舎の水源の近くの村とかは別らしいですけどね。

都市部だと下水汚水が川に流れ込んで川の水が飲めなくなり、井戸水なんかも地面から染み込んだ汚水が入り込んで汚染されることが当たり前だったと。

200年ぐらい前まで排泄は桶の中にして、それを窓から道にぶちまけて処理するのが当たり前だったらしく、道は汚物まみれ。

有名な話として、ハイヒールが作られた理由は汚物で汚れないため、という話があります。なので井戸水に汚物が流れ込むなんて当たり前の状況だったわけです。

そういった状況があって、この当時は水に触れると病気(要するに伝染病とか)になる的な考えが浸透していて、貴族なんかは一切水に触れず、当然ながら風呂にも入らなかったので体臭を誤魔化すために香水を使うようになり、香水文化が発展したと。

そして水を飲まずに何を飲んだのか? というとワインとかビールを飲んだ、らしいです。

ワインはブドウから作りますからね、水を使わない。そしてアルコールを含むので腐りにくい。安心して飲めるのはお酒だけだったと。

ヨーロッパで水が飲まれるキッカケになったのは、東洋からお茶が伝わって紅茶の文化が出来てから、と言われているようです。

つまり、水は多少汚染されていても沸騰させれば飲める、ということにお茶を飲んでから気付いたと。

それまでは本当に沸騰させれば大丈夫という概念がなかったらしいんですよね。


じゃあ極スタの世界もそういった汚い世界観なのか?


と言うと……ぶっちゃけ難しいところなんですよね。

極スタのトイレがどうなっているのか、については前に限定の近況ノートに書いてますが、そういう汚物まみれの汚い世界観を書いても(読んでも)楽しくないと思うので、そうはしていません。

しかし都市部の井戸や川が汚染されやすいってのもある(ポンプ式の井戸なら外界から遮断されるが、縦穴式の井戸だと動物が誤って落ちて死んだだけでも汚染される)らしいので、そういう感じの『汚物まみれではないけど、水を飲む文化はない』世界観に落ち着いています。


現代日本人的感覚からしたら水を飲まずに老若男女が酒しか飲まない世界観って違和感しかないんですけど、実際にそういう世界観が地球にあったわけで、別に無茶苦茶な設定にしているわけではない、とご理解していただきたいところです。

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