第8話 ユミーコ、奪い合われる
「ユミーコは俺のものだ!」
「いーやオレのだ!」
ユミーコに魅了されたマサムーネとマサーシの壮絶な奪い合いが始まった。
ユミーコを両側から引っ張り合う二人の表情は凛々しくて格好いい。こんな男前とイケメンが自分の為に争うなんて。ユミーコの悪役令嬢欲求がみるみると満たされてゲージが溜まっていく。
ただ、問題だったのは大岡越前も真っ青の引っ張り合いだ。大岡越前の例のあの話って、もし両方の母親が全く引き下がるつもりがなかったら、子供は結構ひどい目に遭っていた可能性があると思うのだが、それがまさに今ユミーコの身に起きていた。
手始めに両肩が脱臼したのだ。
しかしあらゆる虐めや拷問や処刑に対しての耐性がある悪役令嬢星人は、この手の痛みにはめっぽう強い。刃物で刺される以外のことは、むしろちょっと気持ち良いくらいで済むので、どんどんやってほしい。
ゲージが溜まりきって、ユミーコの触覚がぐるんぐるん周り、掻き立てるようなサイレン音が鳴り響く。「……っ!」はっとしたマサムーネとマサーシは同時に手を離した。一時の情動に駆られ、なんという事をしてしまったんだ。彼等は白昼堂々彼女のサイレンを鳴らしてしまった事を恥じ入り、反省した。もうちょっとで宇宙成人向けの表現に突入するところだった。
それは両者ともに本意ではない。とりあえず泡を吹いて痙攣しているユミーコの肩を元に戻し、二人は「また会おう……」「次は、殺す」というライバル関係を確立させ、別れた。口約束だけでは立ち消えになるかもしれないので、お互いに宇宙弁護士を呼び、ライバル証明を発行してもらう。これで公的にライバルとして認められる。
そこにユミーコも署名し、ここにライバル条約、第二項恋敵三角関係同盟が正式に成立したのだった。
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