第6話 立ち止まってごらん



わたしは時々考える



現代社会は忙し過ぎるのではないか? と



わたしは周りの人を見てみる



みんな全力疾走をしているように見える



生きる事はマラソンなのに



あんなに全力疾走をしていて大丈夫?



でも、わたしもそうだった



学校でも社会に出ても全力疾走を強いられていたように思う



わたしは全力疾走を辞めた事がある



正確に言えば全力疾走ができなくなったのだ



わたしは立ち止まった



深く深く深呼吸をした



そして初めて気がついた





わたしが走っていた道に名も無き小さな花が咲いている事に



お日様の光りがとても暖かい事に



吹き抜けていく風がこんなにも心地よい事に





わたしは今は歩いている



歩いていると沢山の倒れている人に出会った



みんなゼイゼイと荒い息を吐いている



全く動かない人もいた






わたしは時々考える



人生はマラソンなのだと



タイムなんて関係ない



完走できればそれで良いのだと



タイムを人と競う事に意味なんてない





わたしはわたしのやり方でこのマラソンを完走するのだ






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