020 贅沢
「おばちゃん、
洗い物をしているおばちゃんに声をかける。この
「あら、コウタくん。今日は早いお帰りなのね。いいわよー、コウタくんのつくる料理は
家庭科で習ったお
―――確かに知識なしでお豆腐を作るのは無理があるよな…。
普通は真似されるところなのだが、今のところ、作り方はおばちゃんと俺しか知らない。この世界の料理事情は結構
「今日は料理…と言えば料理なんですけど…。」
「それ…なんだい?」
「食材を混ぜる機械なんですけど…今お世話になってる人のところでお借りしてきました。」
説明するより
―――とりあえず薬草を…あと、牛乳でも入れてみるか。
「おばちゃん、ちょっと大きな音がすると思いますので。」
一応
――――――ブイーンッ
思ったより音は小さかった。おばちゃんは
「こういう機械なんです。こんな感じで…。」
コップを
―――お砂糖、お砂糖…。
ペロっとなめてみた感じ、味はちょっと苦い。よくこんな苦みのある薬草をむしゃむしゃできるものだ。
―――うん、飲めなくはない。
「飲んでみても良いかい?」
おばちゃんが完全に怖いもの見たさでコップを差し出してくる。
「あんまり…おいしくはないですよ…。栄養はあると思うんですけど…。」
おばちゃんが
「…うん?おいしい…おいしいじゃない!これ薬草が入ってるんでしょ?それでこの味なら万々歳よ。」
おばちゃんがごくごく飲み始めた。しかもおかわりまで。
―――そ、そんなにおいしいですか…?
確かに薬草むしゃむしゃに比べれば圧倒的においしいと思うが、ジュースに比べれば…。
―――ん?ジュース…ジュースないんだ!
「「商売のにおいがする!」」
おばちゃんと俺の声が重なった。どうやら似た者同士だったようだ。
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