/M/A/R/I/O/N/E/T/T/E/
台本書ク子
(声劇台本 3:1)
【役表】
※
虫食い→虫が食うこと。また、その跡。
marionette→操り人形。マリオネット。
【注意事項】
男女逆転、自作発言、この台本を使用した作品の有償公開はお断りしております。
ご了承ください。
アドリブ、アレンジ(一人称改変含め)は内容が変わらぬ程度にお願いしております。
使用報告は任意ですが、してくださると大変ありがたいです。(投稿している場所を明記してくだされば、聞きに行ってしまうかも。ご了承ください)
【コピペ用】(配信テーマなどにどうぞ)
【/M/A/R/I/O/N/E/T/T/E/】
台本書ク子作
蛇 尚兎:
亞森樹 義:
夢梓喰 躑躅:
堕蠍駄 流:
亞森樹(N):データファイルNo.1。『特殊部隊シェーレ』。隊長の
(電話の受話器を乱雑に投げる蛇)
蛇:.....ックソ、また被害者が出たらしい。しぶとい奴だ。
夢梓喰:またorigami?ったく、本当嫌になっちゃう。
堕蠍駄:まぁ仕方ないよ。ここ最近、origamiの被害はかなり増えてる。そうやって踏ん反り返ってるより、早く探しに行ったほうがいいと思うけど。
蛇:.....ッ、んな事言われたって!origamiについては姿形どころか何もわかってないんだぞ!
夢梓喰:何も、って....大袈裟過ぎ。origamiの姿形はわからないけど、色々わかってることはあるでしょう?
亞森樹(N):データファイルNo.2。『origami』。史上最恐とも言われる極悪吸血鬼。襲うのは3〜11の幼女のみで、現場には必ず黒い折り鶴が残されている。
堕蠍駄:でも、今の情報を頼りにあいつを探すのは至難の業だよ。どうすればいいやら、ボクらに今出来るのはorigamiと疑われる吸血鬼の駆除だけだなぁ。
夢梓喰:無謀よ、それも。きっと駆除される殆どの吸血鬼が無害で無実だわ。吸血鬼とは言え、心もあるんだし。罪の無い吸血鬼を殺すのは流石にむごいっていうか.....
蛇:でも、やるしか無いんだなぁこれが。
亞森樹:.......
蛇:(大きな溜息)ほんっとお前って何も言わねぇよなぁ!えぇ?口ある?まじである?
亞森樹:......そういうの、いいんで。
蛇:クッソ、戦闘中だけか。口がよく動くのは。
夢梓喰:まぁまぁ、
(数秒間沈黙。息遣いがあっても◯)
夢梓喰:.....まぁ、ですよね。
堕蠍駄:うーん、難しいなぁ。幾ら色んな吸血鬼を見てきたからとは言え、こればっかりは僕にもどうしようもないや。
蛇:俺もお手上げ。無理無理!!
夢梓喰:でもこのままだと、町中の女の子達が消し去るわよ。そしてこのまま女の子達だけに被害が収まるとは考え難いわ。早く対策を打たないと、人々がいなくなる前に。
蛇:とは言ってもさぁ.....?
(4人、同時に溜息)
亞森樹(N):データファイルNo.3。特殊部隊シェーレ隊長、
蛇:んにしてもよ、6月になると毎年毎年origamiの被害者が増えんのはなんでだろうなぁ。
夢梓喰:犯人にとって何か思い入れのある時期なのか、それとも唯の偶然か。
堕蠍駄:うーん、謎は深まるばかりだね。
亞森樹(N):データファイルNo.4。
夢梓喰:そういえば鶴って、日本では長生きの証みたいなやつだけどなんで鶴なのかしらね?
蛇:(溜息)日本も変わっちまったよなぁ。第三次世界大戦が終わって、吸血鬼が入って来たとこまではまだ良かったけど。origamiなんてやつが出て来ちゃもう終わりだよ。
堕蠍駄:終わりじゃ無いよ、これからの日本を作っていくのはボクらなんだよ?origamiを退治して、他の有害な吸血鬼達を縛り上げて....日本を守らなきゃ。
蛇:とは言ってもよぉ、origamiたったひとりでお手上げなんだぜ?無理だよ無理。
夢梓喰:まだひとりって決まったわけじゃ無いわ。いっぱいいるかもしれないよ?origami。
蛇:いーねぇよ!1日に被害者は多くても3人、少ない日はひとり!多いわけがねぇだろ?
亞森樹(N):データファイルNo.5。
夢梓喰:あー、まぁそうだよねぇ。
堕蠍駄:うん、ボクもそう思うよ。にしても不思議だよね、犯人が例えひとりだとしても幼女なんてそこらにいっぱい転がってるのに。なんでそんなに少ないんだろう。
蛇:新しいタイプのロリコンか?
夢梓喰:そう言うの良いから。
堕蠍駄:でも、それが6月になると一気に1日6人くらいに増える.....それを止められないのが残念だ。
蛇:まぁな、この地域は雪も雨もなんも降らねぇ割に6月だけ雨降るし。ほんっと、邪魔くせぇったらありゃしない。
夢梓喰:しかもね!最近わかったことなんだけど、被害が出てるのって大体私たちがパトロールした後のところなのよ!
蛇:(舌打ち)ったく、汚ねぇやつだなぁ。俺達がいなくなったのを見計らってやってんだろ。
堕蠍駄:そこまで頭の悪そうな奴でも無いしね。
亞森樹(N):そして.....データファイルNo.6。
堕蠍駄:まぁいいや、ボクは被害者のデータを調べに行ってくるよ。
蛇:応、俺も行く!
堕蠍駄:また色んなところ踏み散らかしたりしないでね、データ取りたいから。
蛇:だぁいじょぶだぁいじょぶ、あれは転んだだけだから!な!
堕蠍駄:(溜息)本当に頼むよ。
(蛇、堕蠍駄退場。ドアの閉まるSEが有ると◎)
夢梓喰:......さて、私は治療道具の数の確認をしないと。
亞森樹:あ.......その、て......手伝い、ます。
夢梓喰:えー?良いの?
亞森樹:......うん。
夢梓喰:じゃあお言葉に甘えて。付いてきて!
亞森樹:......うん。
夢梓喰:......ってか、それ見えてんの?
亞森樹:え....?
夢梓喰:前髪よ、前髪。あんたの前髪、目を完全に覆い隠しちゃってるじゃない。戦闘中も日常生活送ってる時もずっと思ってたけど、それ見えてんの?
亞森樹:あ.......はい、一応......
(壁にぶつかりそうになる亞森樹)
夢梓喰:あー!ちょ、ストップ!
亞森樹:え....?
夢梓喰:(溜息)危機一髪。あんた、後数歩前に出てたら壁に激突してたよ。全く、見えてないじゃん前。
亞森樹:あ......いや、その......今、よそ見、してて。
夢死喰:よそ見....?ちょっと、しっかりしてよね!本当危なっかしいんだから。
亞森樹:........ごめん。
夢死喰:殺された妹さんの為にも頑張るんでしょう?
亞森樹:あ、嗚呼.......そのこと、なんだけど。
夢死喰:うん?
亞森樹:やっぱり、ゆなと被害者って......な、何か関係がある、と、いうか.....
夢死喰:ほう。
亞森樹:ゆなは、その.....な、なんか.....吸血鬼を、信じてなかった、と、いうか.....嫌ってた、と、いうか......
夢死喰:成程、だから殺されちゃったってこと?
亞森樹:う、うん......
夢死喰:うーん、でもやっぱりそこと幼女は結びつかないわよ。あ、保管庫着いたけど中来る?
亞森樹:あ、はい......!
夢死喰:よし、鍵.....あれ鍵?鍵どこだっけ。
亞森樹:あ、鍵、俺.....
夢死喰:あー成程!持っててくれたの、有難う。
堕蠍駄:
夢梓喰:嘘、タイミング悪すぎ。最悪。
亞森樹:........行こう。
夢梓喰:はいはい、行くわよ!
(少し間を開けて)
蛇:クッソ、なかなかしぶとい!
堕蠍駄:
亞森樹:オルァァァァ!
蛇:ふ、
堕蠍駄:そんなこといいから、
蛇:あいよぉ!
夢梓喰:私はどうすれば?
堕蠍駄:2人も前に出てるんだ、君が行くと回復役が居なくなって危険になる。君は、いつでも出られるように待機していて。2:1とはいえ相手も結構強い、いつ負傷者が出るかわからないから。
夢死喰:了解!
亞森樹:う゛ぁぁッ!?
(右腕をざっくりと斬られる亞森樹)
蛇:
堕蠍駄:ほら、言ってる側から。結構な出血量だし、行ってあげて。
夢梓喰:了解!
堕蠍駄:
蛇:おうよォ!
夢梓喰:大丈夫?
亞森樹:い゛ッてぇ.....
夢梓喰:右腕からかなりの出血、取り敢えず移動しましょう。
亞森樹:嗚呼.....
夢梓喰:闘ってくれているのは有り難いけれど、無理は駄目。まだorigamiの正体すら分かってないのにそんな無理したら、少ないメンバーのひとりが居なくなっちゃうから。
亞森樹:.......はい。
夢梓喰:あ、そこ結構足場険しいから気をつけて。
亞森樹:......はい。
夢梓喰:よし......此処らまで来れば治療もし易いかな。ちょっと傷口見るわね〜。
亞森樹:はい........っだ、いた.....
夢梓喰:かなり深く斬られちゃったね。そして中々危うい出血量なのに逆に何で此処まで歩いて来れたのかが不思議......
亞森樹:それは......その、気合、で。
夢梓喰:気合?ふふッ、面白い。まぁ
亞森樹:あ、あ.......そうっすか?
夢梓喰:うん。でもほんと無理はしないでね?貴方が居なくなっても、貴方の代わりは連れて来られないんだから。
亞森樹:え.....あ、はい。
夢梓喰:なぁに、照れちゃった?
亞森樹:あ........いや、その。
夢梓喰:全く、正直じゃないんだから。まぁ私はそう言うところもいいと思うけどね?
亞森樹:いや......なんっていうか、その、今日、どしたんっすか。
夢梓喰:(思わず吹き出して)何よ!いつもそうじゃない、ったく.....治療中に笑わせないでよね。
亞森樹:あ、はい........ッあ゛.....
夢梓喰:嗚呼、ごめんごめん。やっぱりまだ痛むわよね。でも大分出血は治まったから、明日にはまた戦闘ができると思うよ。
亞森樹:あ.......はい。
夢梓喰:凄いよね。こんなに深く斬られてるのに。再生能力が人間じゃないみたい。
亞森樹:は、はぁ.......
夢梓喰:ぅん?今の褒め言葉よ?大丈夫?
亞森樹:あ、あ、そうっすよね!へへ........
夢梓喰:全く、もう抜けちゃってるわよ。戦闘モードの話し方とお顔が。
亞森樹:あ、はい......ごめん、なさい
蛇:
夢梓喰:あー、お疲れ様ー!凄い血だけどそっちは大丈夫ー!?
蛇:嗚呼、返り血だからぁー!
夢梓喰:ならよかったー!
堕蠍駄:全く、2人とも近くまで歩いて話せば良いのに。無理に叫ぶのは労力を費やすよ?
蛇:へーへー、すんませんでしたっと。
堕蠍駄:にしても
蛇:俺だってんな吸血鬼の血ずっと浴びてたいなんて変態じゃねぇから。帰ったら真っ先に湯船にドボンしてやっから!
堕蠍駄:(溜息)はいはい。
蛇:うぉ、こっから足場険しいじゃん。すっ転ぶなよ、
堕蠍駄:大丈夫だよ、そんなことよりボクは
蛇:結構な出血量だったもんな。さっきも一応
堕蠍駄:それ、
蛇:たしかに。
(少し笑い合いつつ歩く2人)
夢梓喰:ちょっと、何笑ってんのよ2人とも。
蛇:ぅん?いやなんでも.....って、んだそれ!めっちゃ良い感じじゃねぇか其処のお二人さん!
夢梓喰:え?
蛇:
亞森樹:え......あ、えと....
夢梓喰:ちょっと、今彼は怪我人だからやってるだけよ。下心は置いておいて、もうそろそろ治療が終わるからそうしたら帰りましょ?
蛇:へーへー。
堕蠍駄:......にしても、確かに女性の膝枕はいいよね。
蛇:えッ!?お前そんなこと言うキャラだったっけ!?なに、隠れ変態?隠れ変態!?
堕蠍駄:失礼だな。ボクは思ったことを言ったまでなんだけど。
夢梓喰:ふふ、そんなこと言ってるあんた達2人の方がお似合いよ。
堕蠍駄:え、あ、それはまずい。
蛇:こんな奴何処がお似合いだよ!男同士だぞ?
(笑い合う3人と相変わらず黙り続ける亞森樹)
亞森樹:......帰ろ?
夢梓喰:そうね。治療も終わったし帰りましょうか!
蛇:応!
堕蠍駄:あ、嗚呼.....ボクはもう少し残るよ。さっきの敵に阻まれて上手くデータを取れなかったんだ。
蛇:えぇー?あんなに長い時間作業してたのに?
堕蠍駄:うん、ごめんね。先に帰ってて。何かあったら通信するから。
蛇:お、応.....帰るぞ、2人とも!
夢梓喰:了解!
亞森樹:は、はい......
蛇:おーおー、やっぱなんか怪しいじゃねぇか!デキてんのか?あぁ?
亞森樹:いや、そう言うわけでは......
夢梓喰:あーもぉ!行くわよ!
(3人、雑談をしながら退場。堕蠍駄だけがその場に残る。数秒あけて)
堕蠍駄:........フッ
(先程より長い間をあけて)
蛇:たっだいまぁー!愛しの事務所ッ!
夢梓喰:帰ってきたぁー!
亞森樹:........
蛇:さぁて!風呂沸かさねぇとなぁ〜
夢梓喰:あんた風呂沸かせんの?沸かしてるとこ一回も見たことないけど。
蛇:うーん.......沸かせねぇ!宜しく!
夢梓喰:もう!わかったわよ、行ってくる。その間あんたはデータの分析と負傷中の
亞森樹:あ、俺のこと、は......いい、んで。
蛇:だってよ。
夢梓喰:ダメ!見ててね、
蛇:(溜息)わーかったよ。わかったから早く行ってこい。
夢梓喰:(舌打ち)何よ、そのうるせぇから早く行けみたいな目やめてくんない?
蛇:みたいな、と言うよりかはそうだからなぁ!
夢梓喰:ったく......
(夢梓喰退場。蛇、夢梓喰が去ったのをいいことに亞森樹に詰め寄る)
蛇:.......なぁなぁ、なぁ.....ぶっちゃけ、どーなの。
亞森樹:.........
蛇:うまくいってんのか?なぁなぁ。
亞森樹:そ、そういうの.......いい、んで。
蛇:なぁーんだよ!つまんねぇなぁ......
亞森樹:.........ま、ぁ、軍の時から......一緒、なんで。
蛇:ただそれだけ?
亞森樹:.......はい。
蛇:嘘つけぇ!ぜーったいデキてるっつうーの!だって最近ずっと一緒だし?
亞森樹:最近ずっと.......と、いえば.......その、
蛇:っく、話題変えやがったなこんにゃろ。でも......まじで何処だろうな。最近ずっとあんな調子だし.......
(蛇が独り言を呟いているうちに眠る亞森樹)
亞森樹:.........(寝息)
蛇:ぅん?おーい、
堕蠍駄:こらこら、怪我人を揺すっちゃダメだろう。
蛇:うぉぁッ!?いつの間に帰ってたのか、おかえりぃ。
堕蠍駄:今帰ってきたばっかりだよ。
蛇:あ、あそぅ......
堕蠍駄:
蛇:そ、そうかぁ.....
堕蠍駄:そうそう。だから休ませてあげてよ。
蛇:へぇーい......
夢梓喰:お風呂沸いたわよ〜って.....
蛇:嗚呼、疲労だってさ。
夢梓喰:あー、まぁあれだけ出血してたらそうなるわ。
堕蠍駄:.......まぁいいや。
夢梓喰:そうね、私もそろそろ。
堕蠍駄:あ、嗚呼......
夢梓喰:えぇ、良いけれど.....思いっきり
堕蠍駄:別に良いよ。さぁ、座って。
夢梓喰:あ、はーい......
(少し間をあけて)
亞森樹(N)俺の妹、ゆなは強い雨の中血だらけの状態で見つかった。黒い折り鶴が置いてあったことから俺は、その犯人をorigamiと名付けた。憎たらしい......糞野郎が。それから俺は今迄ずっと、ずっとずっとずっとorigamiを探して来たんだ。自分が死んだ後、家族が狙われないように名を捨て、顔を前髪で隠し.....誰よりも努力を重ねて来た。だから、もう少し.......もう、あと少し.......で.......
(少し間をあける。翌朝)
蛇:
堕蠍駄:なに......まだ朝の4時だよ、全く.....
亞森樹:は、はぁい.......
堕蠍駄:嗚呼、いつの間にか自室に戻ってたんだね
蛇:なぁにのろのろしてんだ!まずいぞ!
堕蠍駄:なになに......
蛇:取り敢えず座れ、話はその後だ。
亞森樹:.........
(席に座る3人。だが其処には夢梓喰の姿がない)
堕蠍駄:で......何。
亞森樹:なに......?
蛇:その......落ち着いて聞いてくれ。特に
亞森樹:あ、はい......
蛇:......(深く深呼吸をして)
(驚きに声を漏らす2人)
堕蠍駄:こ、ろされたって......それは、誰、に....?
蛇:分からない。が、黒い折り鶴はなかった。
亞森樹:つまりorigamiの、仕業じゃない、と.....
蛇:.......そう言う訳だ。でも不審すぎる。
(黙り込む2人)
蛇:なぁ、
堕蠍駄:あ、いや......それは。
蛇:言えねぇのか?あぁ?
堕蠍駄:.......
蛇:なぁ、言ってみろよ。言えねぇんだな?なぁ。お前だろ?お前何だろう殺したのは!
堕蠍駄:.......ッ....
蛇:最近、ずっと外に出てたのもそうなんだろう?今は6月、お前が外に出始めたのも6月!被害が増えたのも6月だ。お前がorigamiじゃねぇのかよ!なぁ!!!
(数秒の沈黙)
堕蠍駄:.......ッふふ、そうかそうか。君はそれ程ボクを疑っていたんだね。仲間だと思っていたのに残念だよ、
蛇:.......はぁ?
堕蠍駄:.......良いだろう、君がそんな事を言うのならボクは、自分自身がorigamiではない事を証明して差し上げよう。
亞森樹:.......
堕蠍駄:昨日、丁度昨日だ。ボクはやっと導き出したんだよorigamiの正体を!!!
蛇:だからお前じゃねぇのかよ.....
堕蠍駄:違う!!!ちゃんとした根拠もある。
蛇:ほぉ.....?良いよ、聞いてやる。
堕蠍駄:まず、6月についてだ.....
蛇:嗚呼、それがどうした。
堕蠍駄:そして前聞いた時、
蛇:この地域じゃない可能性は?
堕蠍駄:勿論ある。だが少し考えてみればわかるだろう?最初に被害者の出た地域を、最初に自分の最愛の人が殺された地域を調べなくてどうする!実際この間調べたデータには、
蛇:な......ッ、お前そんなところまで.....
堕蠍駄:もし6月が犯人にとって思い入れのある月だとするのなら?あり得る。ボクはずっと、
蛇:......ッでも、根拠ったってそれだけじゃ.....
堕蠍駄:まだある。
亞森樹:......ッ
蛇:つまり、昨日の夜.....お前は、origamiの正体が
堕蠍駄:そう言う事。彼女は納得していたけれど事実は受け止めきれない様だったよ。そしてそれを
蛇:そ、それで、もし
堕蠍駄:嗚呼。だが其処でひとつおかしな所が出てくるね。本来であれば、彼は真っ先にボクを殺すべきだ。でもボクは今この通りこの席に座ってこの話をしている。じゃあ何故、彼女だけ?
亞森樹:そ、それは.....
堕蠍駄:そうそれは!君が彼女の事を愛していたからだ
亞森樹:.........
堕蠍駄:そして補足だけれど......決定的証拠がある。
亞森樹:あ......はい。
堕蠍駄:......やはりそうだ、origamiの本当の正体は、ボクらがいつも何度も何度も何度も口にしてる言葉にあったんだ!アナグラムだよ!
蛇:あ、あなぐらむ....?
堕蠍駄:単語の文字を入れ替えると別の単語になるトリックさ。今回であれば、AMORIGIのA、M、O、R、I、G、I!これを並べ替えると.......
蛇:えっと、えっと......あ......ッ、ORIGAMI!
堕蠍駄:これは偶然な訳がないんだ。だって、偽名で
蛇:ッでも、まだ分からないことはいっぱいある。それは.....
堕蠍駄:(遮って)嗚呼。あくまでこれはボクの仮説だ。自分でもまぁまことしやかにスラスラと並べたなぁとは思っているけど、本当のことは彼にしか分からない。なぁ.....
亞森樹:........ヒヒッ、イヒヒッ.......
蛇:あ、
亞森樹:そうだよねぇ、バレちゃうよねぇ......知ってた。
堕蠍駄:やはり......!
亞森樹:そうだよ。俺が、origamiだ。妹を殺したのも、今までずっと幼女達を殺してきたのも......全部、全部全部全部!!!.......俺だよ。
蛇:な、嘘だろ.....
亞森樹:いぃや、残念。事実さ。君達は居もしない『origami』なんて存在を勝手に追って勝手に分析してたんだよ。笑えるねぇ.....ヒヒッ。
堕蠍駄:何故そんなことを!
亞森樹:まぁまぁ、落ち着きなよ。ぜぇんぶ、話すから。
蛇:.......ッ....
亞森樹:.......知ってるだろう?俺がゆなを溺愛していたのは。ただそれは、溺愛なんていう言葉じゃ収まらないほどの......感情だったんだよ。でも俺はある日突然、鏡に映らなくなった。蚊に刺されだと思ってた跡が吸血鬼の歯形だったことはその時わかったことだ。
堕蠍駄:嫌われる前に殺して仕舞えば良い....と?
亞森樹:ヒヒッ.......そゆこと。でもいざ彼女の死体を目の前にすると、怖くなった。そして、自分が殺したという事実を消したくなった。当然だよなぁ.....?まだ10代の、純粋無垢な少年だ。だから、消してしまったんだ。その場に黒い折り鶴を置いて、俺はorigamiという存在がやったんだと.....そう思うようにした.....
蛇:うわ......まじか.....
亞森樹:それからと言うもの、俺は罪悪感から逃れるために居もしないorigamiを倒したいと思うようになって、
堕蠍駄:本当は......やはり全部、君の仕業だったんだね.....
亞森樹:んぃや、origamiの仕業だよ。俺はやってない.....やってないやってない!そう、俺はやってないんだ。ヒヒッ、ゆなの友達に、と.....origamiは彼女と同じ幼女ばっかり狙った。ほんっと、憎たらしいよなぁ.....ヒヒッ、憎い憎い.....
堕蠍駄:結局ボク達は......居もしない存在を追っかけて傷を負い、闘ってたってわけだ.....
亞森樹:そう!!!その通り!本当滑稽だよ。俺を含め、お前達は踊らされてたの!ハハハッ、
蛇:何が滑稽だよ!お前が1番滑稽だよ!罪悪感から逃れようとして、訳わかんねぇ存在作って、現実逃避して!挙げ句の果てには仲間まで殺して、何がしてぇんだお前は!
亞森樹:.......るせぇ、うるせぇうるせぇうるせぇ!みんなしてんだろんなこと!みんなみんな、現実逃避して......自分の罪悪感から逃れて、そうやって生きてんだろ!てめぇらは漫画の主人公か!何にでも耐えられる、何でも夢に繋げられる!んな都合のいいやつ、いねぇんだよぉ!
蛇:嗚呼そうだよ!知ってる、分かってるよ!俺も
亞森樹:...クソ.......クソッ!(その場に泣き崩れて)俺は......本当に、何がしたかったんだよ........ただ、俺は.......
堕蠍駄:君のしたことは、許されるべきことではないよ。沢山の人を殺め、ボクらを騙し、仲間である
亞森樹:........嗚呼、おんなじ事言ってたなぁ。彼奴も。
(間をあけず回想シーン)
夢梓喰:ねぇ、貴方......教えて欲しいの。この疑いを晴らして欲しい。私は、貴方じゃないって信じてるから。ねぇ......
亞森樹:.......ッ、
夢梓喰:えぇそうよ。でも貴方のこと信じたいの。だって私......
亞森樹:.......ごめん、
夢梓喰:え......?まさか、本当に......
亞森樹:.......うん。ごめんなさい......本当に.....俺.........
夢梓喰:.......そっか。貴方がやったんだね、
亞森樹:ちが....、ちがう!やったのは......origamiだ.......ッ
夢梓喰:違わないでしょ。今言ったじゃない。もし貴方がorigamiなんだとしたら、貴方の妹さんを殺したのも幼女達を殺したのも全部貴方よ。origamiじゃない、貴方自身なの。逃げちゃダメ。
亞森樹:だって.....ッ!
夢梓喰:分かってるわよ。それに、私はそれでも.......
(夢梓喰が言いかけたその時。亞森樹は彼女の腹をナイフで突き破る)
(SE:ナイフの音)
夢梓喰:あ゛......ッ!
(その場に倒れる夢梓喰)
亞森樹:全部.....全部全部、origamiが悪いんだ!俺じゃない、俺じゃないぃ!
夢梓喰:
亞森樹:あ.......ッ、あ......
夢梓喰:それ......でも、あ....なた、を......あ.....い........
(夢梓喰、絶命)
亞森樹:ぐ......ッ、何も分かってない......俺は.....ただ、ただァ!
(少し間をあけて)
亞森樹:オラ、もう充分だろ。
蛇:......はぁ?
亞森樹:.......殺せよ。殺せよ!
堕蠍駄:馬鹿言え!ボクらにそんな事が出来ると思うか!
亞森樹:じゃあ自分で死ぬ!やってられっかこんな世界!
蛇:糞野郎がぁぁぁッ!
(蛇、亞森樹の頬を殴り飛ばす)
亞森樹:.......は、ぁ?
蛇:テメェは何考えてんだ!死ぬ事が救済や償いになると思ったら大間違いだ!テメェが今やらなきゃいけねぇことはなんだ?償う事だろう!?お前の作り出したorigamiと言う存在を消し、お前自身が受け止めなきゃいけねぇんじゃねぇのかよ!
亞森樹:受け止め.....る?
蛇:嗚呼。origamiなんてもんは最初っからいねぇ。全部お前がやったことだろう?なら、お前がお前の中にいるorigamiを受け止めて!殺人や現実逃避から足を洗わなきゃいけねぇんじゃねぇのかよ!
亞森樹:.........そんなこと、出来る、訳......ない、じゃん。
堕蠍駄:別に、君の中のorigamiを消せなんて言ってない。ただ君に、殺人衝動に耐えられる様になって欲しいだけだ。origamiは君の罪を全部被ってくれる優しい奴だけど、結局は全部君の罪。居もしない存在が、君の罪を償ってくれるとは思えないな。
亞森樹:.......でも
堕蠍駄:でもじゃない!今ボクが述べた事は君のやらなきゃいけないことなんだ。もう逃れられないよ、origami.....いや、
蛇:俺らだって優しいと思うぜぇ?感謝して欲しいよマジで。だってぇ、ずーっと人殺しを続けて来たお前を見捨てないって言ってんだぜ?なぁ、
堕蠍駄:見捨てない、というより見捨てられない。今此処でどっかに放ったら、町がさらに危なくなるから。
蛇:まぁ、俺らもずっと忌み嫌われて来た奴ばっかだしさ。ちぃっとは気持ち、分かってやれるしよぉ。
亞森樹:.....
堕蠍駄:ほら、立って。罪を償いに行かないと......
亞森樹:.......はい。
蛇:ふっ、いつもの亞森樹に戻っちまった!おらおら、行くぞ!origamiの正体と結果を発表しに行かないと!
亞森樹:.......はい。
堕蠍駄(N):鼻を啜り立ち上がる亞森樹。ボクは、何だか彼の気持ちがよくわかる気がした。現実逃避.....ね。彼の言っている事は所詮言い訳でしかないけれど、ある程度理に適っている気がする。人は誰でも、自分の犯した罪から逃れたくて仕方がない。漫画の中の主人公の様に、真っ向から立ち向かっていく勇気なんて誰も持ち合わせていない。だから逃げるんだ。でも.......それじゃ、ダメなんだろうな。
蛇(N):結局俺らはその日、亡くなった
堕蠍駄(N):
蛇:クッソ彼奴......どこまで無責任なんだよ!
堕蠍駄:まぁ人間って、そういうもん何だろうね。
蛇:何納得してんだよ!探しに行こうぜ?俺もう支度できてるし!
堕蠍駄:嗚呼、ボクも出来てる。
蛇:じゃあもう行こうぜ!早い方がいいし!
堕蠍駄:そうだね。........主人公、ね。
蛇:.....ん?どうした?急に。
堕蠍駄:いや、今ふっと思い浮かんだんだけどさ。この物語の主人公って、誰なんだろうね。
蛇:物語?はぁ?馬鹿言え!物語なんてねぇよ、俺らにとっちゃただの日常だ!
堕蠍駄:ふふ、そうだね。
蛇:あ.....あと、あん時急に疑ったりして....ごめん、な。
堕蠍駄:嗚呼、別に良いよ。ボクも、現場の調査とは言え不審な動きをしてしまったからね。
蛇:んにしても、お前の洞察力はやっぱすげぇなぁって.....思うよ。
堕蠍駄:そうかな?有難う。でも......物事は、その場に立ち止まってじっと見つめれば案外見えてくるものだよ。
蛇:はは、だよなぁ......
堕蠍駄:そ。さぁ、行こう!
蛇:うぉっと!?おい
堕蠍駄(N):きっとこの先も、ボクらは人間であり続ける以上色々な過ちを犯すだろう。でも....ボクは、
夢梓喰(N):marionette。それは、私たちの事を言うのかもしれない。
/M/A/R/I/O/N/E/T/T/E/ 台本書ク子 @kakuko_03
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