魔王との決戦前に剣士がトイレに行ったときの話

闇コロ助

第1話

「とうとうここまで来たか…」


剣士は呟く。ついに魔王の待つ城の最奥部まで来たのだ。これから世界を賭けた戦いが始まる。


「すまん。その前にトイレに行かせてくれ」剣士は小走りでトイレに行った。


「…あいつさ。やっぱ空気読めないよね」剣士の姿が見えなくなってから、弓使いが言った。


「それです」と僧侶。「死霊の森でも、あいつが空気読めないせいで、全滅しかけました。あえて何も言いませんでしたけど」


「やっぱり僧侶ちゃん我慢してたんだ」と槍使い。「ごめんな。おれがあいつに言ってあげればよかった」


僧侶「いいんですよ、槍使いさん。お気遣いだけでもありがとうございます」


槍使い「いやいや面目ない。あとあまり関係ないかもしれないけど、あいつ僧侶ちゃんでヌいてるって、この前、宿屋で言ってたよ」


弓使い「キモすぎ。死ね」


魔導士「いやーおれも聞いてたけどさ。あの発言はマジで引いたわー」


僧侶「やっぱり早めに殺しておくべきでしたな。だいたい、このクソめんどくさい冒険も、元はといえばあいつが魔王にケンカ売ったのが理由ですからね」


魔導士「それな。しかも魔王の手下から助けた幼なじみの娘に、ワンチャン要求してたらしいしな」


弓使い「キモすぎ。死ね」


槍使い「あ、剣士が帰ってきたぞ」


そして、一行は魔王に戦いを挑んだが、一人残らず死んでしまった。

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