コープスファインダー
晴れ時々雨
🌑
ずっと片想いしていた知り合いの娘さんが珍しく自治会の集会に参加していて、彼女の父親がとうとう娘の結婚が決まったことを報告したので、せめて祝福を伝えたくて彼女が一人になるのを待った。
廊下で追加の酒を運ぶ彼女を待ち伏せる。娘さんの両手の塞がった姿を見ると堪らなくなり、使われていない部屋へ彼女を押しやって物も言わず想いを遂げた。
自分のしたことに自分で驚きつつどこか納得し、一息つき落ち着いてみると乱れた彼女が侮蔑の眼差しで僕を見上げており、僕の初恋がすっかり終わりを迎えたのがわかった。
彼女は何も言わずほぐれた後れ毛をまとめ身支度を整える。床にしどけなく投げ出された白いふくらはぎが立ち上がろうと肉を盛り上げた様を見て僕は、何かが歩きだす音を聞いた。
部屋を出ていこうとする彼女の手首を掴む。ちょうどそこは彼女の鼓動を確かめられる位置だった。彼女は振り返ったが目を逸らしている。向こうで娘を探す声が上がったので解放してやる。
でもこれで終わったわけじゃない。何故なら、この蔓は僕の恋の死骸の上に芽を出したのだから。たぶん僕はこれから数え切れないほどあの女を抱くだろう。
コープスファインダー 晴れ時々雨 @rio11ruiagent
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