現代地球アメリカが舞台で魔法もチートも出てこない話
虹色水晶
第1話
アメリカ。ラスベガス。
某所にある病院。ナイチンゲールクリニック。ブラッドフォード警部は怪我も病気もしてもいないのにも関わらずその建物を訪れていた。昨日まで休暇を取っていたある人物と会う為である。
「やぁヨナキ!昨日まで休暇を取っていたそうだね!どこに行っていたのかい?フロリダかい?それともバハマかな?」
「日本人の治療です。医者に休みはありませんよ」
「ニホン?アメリカにそんな州あったっけ?」
「中国の手前にある植民地です。第二次大戦時に29万人の死者を出してようやく手に入れた土地よ。ブラッド。貴方は自分のおじい様達がどれだけ苦労していたか。学校で勉強していなかったようね?本当はアメリカ人じゃなくて不法移民じゃない?」
「ぼ、僕はアメリカ人だよっ!!」
「なら結構。休暇を利用して日本人の虫歯治療をしてきました」
「それって休暇を使ってまでする事なのかい?」
「貴方はこのアメリカ国内に虫歯治療費が払えなくて銀行強盗をする生活困窮者がどれだけいるかわかっていないようねブラッド?」
「す、すまない・・・」
「それで貴方と無駄なおしゃべりをしている暇があるなら私は患者の往診をして彼らの精神的安定度を高めたいのだけど」
「そうだね。本題に入ろう」
ブラッドフォード警部は持っていた封筒を渡した。中には銃殺された男性の写真。
「死人は治療できないわ。葬儀屋は。まぁ一応取引先の一つではあるけど」
夜鳴は書類を返そうとした。
「このままでは犯人を逮捕できない。被害者を無念を晴らすため、ヨナキ。君の力がいる」
改めて夜鳴は書類を見た。
「被害者男性。レストランで食事中に白昼堂々射殺される。動機は男女交際のもつれ。目撃者複数。監視カメラの映像あり。決まりじゃない?」
「だが肝心の銃弾が発見できていないんだ!弁護士がやり手で、銃弾が一致しない以上、逮捕は不可能だと言っている」
「じゃあ逮捕しなければいいじゃない?」
「僕の推測ではこうだ。犯人の女性は氷でできた弾丸を用いて犯行を行ったんだ。氷ならば体内に入ってもすぐに溶けて水になってしまう。だから銃弾が発見されないんだ!!」
「それはないわね。弾丸に使用できるほどの強度のある氷なら命中した際に皮膚に凍傷が発生するはず。死体はどこに?」
「この病院の霊安室に置かせてもらってある引き受けてくれるんだね?」
「別に構わないけどその間向こうの病室にいる元警官だか退役軍人だかのお年寄りの相手をして貰えるかしら?」
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