第2話 電車内で遭遇した九尾の狐少女

{ナレーション}


主人公の陽太は一風変わった少女達に遭遇。


その少女達は何と凶悪少女だった。


{本文}


僕の名前は、戸坂 陽太「とさか ようた」38歳。


身長165㎝、体重67㎏。顔は普通で体形はやや太り気味。


髪型は短髪ストレートヘアー。


僕は毎日自転車と電車に乗って通勤している。僕は基本的に持てないタイプ。


特に若い女性からは気持ち悪がられていた。


3月末の卒業シーズンの後あって普段より学生が少なめの車内はとても静かだった。


僕は仕事は今一でいつも上司に怒鳴られてばかりいた。


出世できない僕は後輩にすら邪魔者扱いにされる粗末。


4月上旬学生が増えて車内はごった返しになってた。


僕はなんとか席に座れた。この時一風変わった少女達が僕の前に立ってた。


1人は、高槻 夢子「たかつき ゆめこ」12歳。身長160㎝、体重40㎏。


髪型は毛深い狐のようで水色かかった白い髪。


顔はあどけないし美貌、体形は細い。


彼女は頭上にも耳があるし九尾のしっぽがある。現実的にあり得ない少女だ。


2人目は、足立 メイサ「あだち めいさ」12歳。身長158㎝、体重40㎏。


髪型は毛深い狐のようでピンクかかった白い髪。


顔はあどけないし天女並みの美しさだ。体形は細めだ。


3人目は、都市草原 マドカ「としそうげん まどか」12歳。


身長165㎝、体重40㎏。


髪型は毛深い狐のようで緑かかった白い髪。


顔はあどけないし女神のように美しい。体形は細めだ。


この3人は電車に乗る度出会うようになった。見た目はおとなしそうだ。


1週間後のある日夢子がサラリーマンのおじさんに声をかけた。


夢子「おじさん、膝の上に座ってもいい?」


サラリーマンのおじさん「いかんに決まってるだろ。」


このおじさんの言い放った言葉がおじさんの運命を決める事を誰が予測したであろうか。


翌日の早朝、僕はパトカーのサイレンで目が覚めた。


サラリーマンのおじさんが住んでると思われるアパートの前にパトカーが3台止まってた。


殺人事件があったらしい。


殺されたのは何とあのサラリーマンのおじさん。


首から血を流して死んでたらしい。


僕はこの日も仕事。電車に乗るとまたあの3人娘がいた。


メイサ「夢子、うまい事いったね。」


夢子「まさかあんなに簡単にできると思わなかったわ。」


マドカ「あのおじさんは哀れだったね。」夢子「そうやね。」


これが何を意味するのかこの時の僕は知るよしもなかった。


夢子達は今度はカップルを取り囲んだ。


夢子達は要望を断った人間を容赦なく斬殺する凶悪で極まれなき少女だ。


僕がそれを知ったのは3日後だった。


結局夢子達は僕が夢子達の実態を知るまでに7人殺してた。証拠を残さずに。


翌日、電車内で夢子は何を思ったのかいきなり僕の膝の上に座った。


夢子「おじさんというかお兄ちゃんなら私の事分かってくれるよね。お兄ちゃん今日からお兄ちゃんの膝の上に座ってもいい?」 


僕は不吉な予感がよぎった、もし断れば殺されるかもと思った僕は了承せざる得なかった。


夢子「お兄ちゃん、この子がメイサ。」メイサ「よろしくね。」


夢子「それからこの子がマドカ。」マドカ「よろしくね。」


夢子「メイサとマドカも膝の上に座らせてあげて、お・ね・が・い。」


僕「あー、分かったよ。」夢子達は人懐っこく人を殺すようには見えなかった。


特に夢子に関してはまるで狐を膝の上の座らせているような感触だった。


夢子のは頭上にも2つ耳がありこの耳のおかげで裏切り者がどこにいるのかを特定できるようだ。


メイサは毛深い狐のようでピンクかかった白い髪であるが耳は普通の耳で尻尾もない。


マドカは毛深い狐のようで緑かかった白い髪であるが耳は普通の耳だが大きな水色かかった白い尻尾があった。僕は夢でも見てるのかと思った。


ほっぺをつねってみて痛かったので現実だ。


この3人は妖怪なのかそれとも悪魔なのか。


どっちにしても要望断れば殺される可能性が。


マドカ「実はね私お料理が得意なの。今度何か作ってあげるね。」


メイサ「お兄ちゃんは自炊してる?」


僕「してないな。ご飯はコンビニで買ってるし。」


マドカ「そういえば昨日お兄ちゃんがコンビニで買い物してるのを見たけどお兄ちゃんはおにぎりと野菜スティックしか買ってなかったね。」


僕「大人の事情でさおにぎりと野菜スティックしか買えないんだ。」


メイサ「お昼はどうしてるの?」僕「昼ご飯はおにぎり1個だけさ。」


これが僕の現状給料が少ないためどくに真面な食事すらできないのだ。


僕の家族は10年前に親父を事故で亡くして、おふくろも3年前に心臓発作で亡くした。


僕は身寄りの人間がおらず仕事の後は1人淋しくアパートの部屋でこもる日々が続いてた。


夢子「仕事うまい事できてる?」僕「まったくだね。」


僕は駅前のオフィスで働いている。


パソコンで文書を作ったりするのが僕の仕事だ。


僕は何時まで経っても課長や部長、社長にも認められておらず何時解雇されてもおかしくない状態だ。


僕は万が一解雇された時は人間を辞めるつもりだ。


出世できない僕はどんどん孤独になっていく。


唯一の楽しみは夢子達と集える事だ。


{ナレーション}


夢子達と集える事が唯一の楽しみである陽太。しかし夢子達は凶悪少女。


7人殺した九尾の狐少女夢子・メイサ・マドカに懐かれてしまった陽太の運命はいかに。


{本文}


翌日の朝、起きたら僕の部屋になんとマドカがいた。


僕「ま、マドカさん何でここにいるの。というよりどうやって入ってきた。」


マドカ「おはようお兄ちゃん、実はねメイサと夢子もだけどこの部屋の合い鍵を持ってたの。だから何時でも遊びに来れるの。」


僕「い、いつの間に~。」


この時僕は心臓が止まるほどびっくりたまげた。


まさか起きたらマドカが僕の部屋にいたなんて。


マドカ「ご飯作っておいたから食べて。」僕「あ、ありがとう。」


マドカさんは料理が得意なようで僕は初めてマドカさんが作った朝ご飯を食べてみた。


この日マドカさんが作ったメニューは炊き込みご飯・野菜たっぷりの味噌汁・卵焼き・焼きサバだ。


マドカさんが作ったご飯は格別においしかった。


僕「これ本当に君が作ったのかい。凄くうまいじゃないか。」


マドカ「でしょう今日も仕事頑張ってね。」


マドカは自主的に僕のご飯の世話をしてくれてる。


食材は野菜は農家の人にもらってる。卵とサバはお小遣いで買ったみたいだ。


僕はマドカにご飯を作ってもらえる分食費を払わなければと思いマドカに食費として月3万円を渡した。


僕「何時も悪いな。これ食費だよ。」


マドカ「おじさん食費は3万円もかからないよ。1万円でいいよ。」


僕「でも君の小遣いで買ってきてるんだろう。」


マドカ「実はね私達には仲がいい農家の人がいてね。農家の人にお金を払おうとしたら食べてくれるだけでいいと言ってくれたの。それと経済的事情で満足な食事ができなくて困ってる人を助けたいと言ったらこれだけお野菜をくれたの。」


僕は玄関にある大きな箱を見た。どっさり野菜と果物と根菜が入ってた。


人参・玉ねぎ・ほうれん草・ネギ・米・サツマイモ・ジャガイモ・白菜・キャベツ・ミカン・イチゴなど盛り沢山入ってた。そう本当に1万円でいいのだ。


もしマドカさんが大人の女性だったら僕の嫁にしてやりたい。


僕は料理ができる女性が大好きだから。


料理もできるし僕のご飯を作ってくれるマドカが人を殺すようには見えなかった。


マドカのように見えた女の子は他の女の子だと確信した僕。


出勤の時電車内で夢子とメイサにも出会えた。


夢子「おはようお兄ちゃん、今日は元気いいね。いつもは元気なさそうだったのに。」


僕「マドカさんのおかげだよ。」メイサ「私と夢子も料理得意だからね。」


僕「そうだったのか。」ここで今度はメイサが膝の上に座ってきた。


メイサ「マドカに朝ご飯作ってもらったでしょ。」僕「そのとうりだよ。」


この日ばかりはマドカの愛妻ご飯のおかげで仕事が捗った。


蔵馬部長「戸坂君、今日は張り切ってるじゃないか。何かいい事でもあったのか。」


僕「実は女子学生に励まされたんです。」蔵馬部長「それはいい事じゃないか。」


僕はまだ未成年であるマドカさんにご飯を作ってもらってる事を言わなかった。


仕事帰りの時も電車内でメイサが僕の膝の上に座った。


メイサ「マドカの料理結構おいしかったでしょ。マドカは和食の名人だから。私は中華料理の名人だから。で夢子は洋食の名人よ。」


要するに3人揃って和中洋だ。


アパートへ帰った僕はマドカに夕食も作ってもらった。


夕食のメニューは白飯・温野菜・豚の生姜焼き・けんちん汁。


僕「マドカさんの料理最高だな。」


マドカ「そう言ってくれて嬉しいわお兄ちゃん。」


マドカは僕を見つめてもじもじし始めた。


僕「どうしたマドカさん、トイレか?」


マドカ「私のわがまま聞いてくれる?」僕「聞いてあげるよ。」


マドカ「お兄ちゃん、私とメイサと夢子と一緒にここで暮らそうよ。それでいい?」


僕「お父さんとお母さんは承知したのか?」


マドカ「実は私のお父さんとお母さんは10年前に亡くなったの。でメイサの両親も5年前に亡くなって夢子の両親も3年前に亡くなったの。私達3人は今は教育費が無料だから学校へは通えるけど交通費はさすがに払わなければいけないけどそのお金を稼ぐためにアルバイトしてるの。」


僕「で、マドカさん達はどこに住んでるの?」


マドカ「3人とも廃屋を転々としてるの。」


僕「それを何で今まで黙ってたんだ。」


僕はマドカとメイサと夢子を引き取る事にした。


でも今の状況では3人を養う事ができない。


マドカとメイサと夢子はアルバイトで稼いだお金を生活費と交通費にしてるのだ。


僕「ごめんよ。家賃はいらないから一緒に暮らそう。」


夢子「よかった、これで何時でもお兄ちゃんと一緒だね。」


僕の料理を作るのはマドカとメイサと夢子が1日交替で行ってる。


僕は部屋やベランダの掃除をしてる。


仕事休みの日、僕は奮発してマドカとメイサと夢子を遊園地へ連れて行った。


3人は大はしゃぎだった。


夢子「お兄ちゃん、今日は本当に楽しかったよ。」


僕「そうか、そういわれると嬉しいな。」


夢子達を引き取ってからというのも僕は徐々に出世した。


まるで夢子達の魔力に憑りつかれたかのように。


僕「何故だ。夢子達を引き取った瞬間から異様なほど出世で来たぞ。」


1ヵ月後僕は職能実績が認められて課長補佐になった。


だが僕の出世はまだ始まったばかりだ。


{ナレーション}


夢子とメイサとマドカを引き取った瞬間からなぜか出世しまくる陽太。


3人とも料理が得意なのでご飯には困らないがその反面もし裏切れば・・・。


{本文}


夢子達を引き取って1週間、夢子達は僕のアパートから学校へ通うようになった。


夢子「お兄ちゃん朝だよ。」僕「ふぁ~~、起こしてくれてありがとう。」


メイサ「今日も仕事でしょ。」僕「あー、今が5時か。」


僕は基本早寝早起き主義の男。規則正しい生活が僕の自慢かな。


食事の面は夢子とメイサとマドカがサポートしてくれてるので問題なし。


3人が作る料理はバランスがいいので何時も快調。


弁当までも作ってくれるようになった。


僕が夢子達が作った弁当を持っていくと周りの先輩・後輩や部長社長までもが羨ましそうに見てる。


夢子とメイサとマドカの3人はもしかして料理人でもあり栄養士なのでは?


僕はそう思った。


夢子達は普通じゃないので狐に間違われるのもしばしばあった。


僕は夢子とメイサとマドカを引き取ってからは狭いアパートに住みながらも天国にいるみたいだった。


お昼休みの時新人の若い後輩の女性に声をかけられた。


女性の名前は、鮒金 ロリコ「ふなきん ろりこ」20歳。身長160㎝、体重40㎏。


髪型は、夢子達と同じく毛深い狐のようで頭上にも耳らしきものがありうっすらと赤みかかった白い髪。


顔は、妖精や天使いや女神のように美しい。体形は細めだ。


ロリコ「課長、課長のお弁当豪華じゃないですか。」


僕「実は僕恵まれない女の子3人を引き取ったんだ1週間前にね。その女の子は料理が得意だったからこうしてご飯を作ってくれるんだよ。」


相馬「えっあの女の子がですか。」僕「そうだよ。」


臼田社長「これまた豪華やね戸坂君。家の女房ときたら最近忙し過ぎてご飯作ってもらえないんだ。」


ロリコ「課長、今度課長のアパートへ遊びに行ってもいいですか?」


僕「え、狭苦しいけどいいか。」ロリコ「あの女の子に会ってみたいからです。」


夢子達の事だ。仕事休みの日ロリコが僕のアパートへ遊びに来た。


ロリコは会社でもよくおならするがとても甘えん坊なところがある。


ロリコ「課長、遊びに来ました。あれ、夢子とメイサとマドカじゃない。」


夢子「あれ、ロリコ姉ちゃん。まさか出会えるとは思わなかったわ。」


僕「え、君はもしかして?」ロリコ「この3人の姉です。」


メイサ「ロリコ姉ちゃん本当の久しぶりだったね。元気だった。」


ロリコ「このとうりよ。」


マドカ「ところでロリコ姉ちゃんはどこで何してるの?」


ロリコ「貴女達のお父さんになったこの人が勤めてるオフィスで働いてるわ。」


夢子「ロリコ姉ちゃんに出会えて本当によかったわ。」


今までにない衝撃は体中を駆け巡った。


まさか新人のロリコが夢子とメイサとマドカの実の姉だったなんて想像もつかなかった。


ロリコ「実はこの3人の女の子は12年前に生き別れた私の妹達だったんです。」


僕「そうだったのか。夢子とメイサとマドカ、一言言ってほしかった。」


ロリコが夢子とメイサとマドカの実の姉だと知った僕はロリコも受け入れる事を考えたでも部屋が狭く夢子とメイサとマドカを受け入れるだけで精一杯だった。


課長になった僕は以前より給料が上がった事から引っ越しを検討する事にした。


引っ越し先は、駅前オフィスから徒歩10分の中古の一途建ての家。


僕は収入が月に税金や保険など差し引いて手取りが30万円を超えてるし一掃の事中古の家を買う事に。もしこれが実現すればロリコも迎え入れられる。


価格を調べたところ駅近くにしてはとても安い2000万円。


怪しいと思った僕は駅前オフィスから徒歩10分の一途建ての家を見に行く事に。


仕事帰りの時僕は夢子とメイサとマドカを連れて問題の中古の一途建ての家へ。


すると以外にも綺麗過ぎて新築の時と変わりない家だった。


不動産によると引っ越しする予定の一途建ての家は築10年だという。


とても築10年の家に見えなかった。


マドカ「この家異様ににきれいね。」


メイサ「一度改装したんじゃない。」


不動産屋の元木「え~と一度も改装などしてませんよ。」


僕「え~~~、なのに何でこんなにきれいなんですか?」


夢子「前の主がよほど丁寧に使ってたんじゃないの。ちょこちょこ直したりしてたとか。」


僕「それならあり得そうだけど。」


元木「以前住んでおられた方もこの家をいじった事ないらしいですよ。」


僕はこの家を買う事で何事も起きなければいいがと思った。


翌月僕は思い切って駅前オフィスから10分の中古の一途建ての家をローンを組んで買った。


翌日アパートの家賃を引き払ってから3日後中古の一途建ての家へ引越しした。


僕が越した中古の一途建ての家は鉄筋コンクリート造の3階建て延べ床面積300㎡。


結構広めの家だった。夢子「中は結構広いね。」


メイサ「ねえねえ来て来てお風呂結構大きいよ5人一緒に入れそうよ。」


僕「えっ、なんだって。」


僕がお風呂を見てみると本当に5人が余裕では入れるくらい大きな浴槽があった。


僕「むっちゃクチャ広いお風呂だな。」マドカ「トイレが各階に2つあるよ。」


今回僕が買った家は3階建てマドカが言った事は真実だったので合計6つトイレがある事になる。


{ナレーション}


夢子とメイサとマドカを引き取って新人のロリコに声をかけてもらった事で出世した陽太。


そんな陽太は更に超恐ろしいくらい出世するのだ。


マイホームを買って幸せ万丈の陽太。


陽太は家を買った事で出世していくが家を手放した前家の持ち主は不幸続になったようで。


前家の持ち主は誰だったのか。


{本文}


中古の一途建ての家を買って1週間ようやく荷物が片付き落ちついた。


夢子とメイサとマドカには部屋を一つずつ与えた。


そして収納付きベッド・収納ボックス・キッチン用品・IHクッキングヒーター・ソファー・テレビ・冷蔵庫・洗濯機・温熱温水便座は買う必要なかった。


不動産屋が大サービスとばかりに全てプレゼントしてくれたのだ。


総額300万円相当。


これならいつでもロリコを迎え入れる事ができる。


夢子「机は作り付けだから便利ね。」僕「そうだね。」


マドカ「ベッドは気持ちいね。こんなに快適でいいのかな。」


メイサ「お父さん、この家に越してから便利になったことない。」


僕「無茶苦茶便利になったよ。会社も近いし。」本当に便利すぎる家だ。


前の主は何でこんなに快適な家を手放したのか。


地元の人の話では僕が越してきた家は心霊現象らしい事があった為前家の持ち主は逃げるようにどこかへ越していったという。


僕「この家幽霊が出るようには見えないけどさ。」


夢子「あ、分かった。この土地の神様を霊に見間違えたんじゃない。」


僕「そうかな。」


メイサ「前の家の持ち主は目に見えてるのが神様だと気づかずに引っ越ししていったという訳なの。」


マドカ「あそこにいるのがその神様じゃない。」神様「おう、気づいたか。」


僕「あのうもしかして。」神様「わしはこの土地の神じゃ。」


僕「初めまして戸坂陽太です。」


神様「この辺ではあまり聞かない名前じゃな。3年前になるかな以前住んでた住民がわしを見た途端一目散に逃げるようにどこかへ引越ししてしまった。あの時は本当にショックだったよな。」


夢子「以前の住民はどんな感じの人でしたか。」


神様「そうじゃな、わしら神を信じなさそうだったな。」


メイサ「以前の住民は何と罰当たりなんだろう。」僕もそう思った。


以前の住民いや家の持ち主は当然の事ながら不幸が立て続けに起きて終には破産してしまったらしい。


僕は以前の家の持ち主のようにならないように神棚に榊・米・お塩・お酒・お菓子をお供えしたり毎日出勤前にも拝んだ。


そのかいもあり徐々に出世した僕はうなぎのぼりに。


ロリコ「課長、今日はどこかへ行きませんか。」


僕「明日仕事休みだから行くか。」


ロリコ「あの3人も連れて行きましょうよ。」僕「そうだな。」


時には外食もいいだろう。


家へ帰ると僕はお風呂へ入った後3人娘達と同時に寝た。


僕はふっと思い出した15年前の記憶を。


15年前の夏僕は登山をするため登山道を目指して車を走らせた。


車を駐車場に止めていざ出発をしようと思ったら登山道の横で酷いけがをした狐が子狐を3匹連れてさまよってた。


僕「なんだこの狐怪我してるじゃないか。」


この日天気が急に変わって今にも雨が降りそうになったので怪我した母狐と3匹の子狐をアパートまで連れて帰り保護した。


僕「もう大丈夫だからな。」


僕は母狐と子狐の世話をしてた。僕は獣医さんに怪我をして母狐を見せたところ。


獣医「これは酷い怪我だ。」と言って処置してくれた。


治療費にお金がかかったが何より狐達が元気になって野生へ帰ればそれでよかった。


1ヵ月後母狐の怪我は治り山へ帰す日が来た僕は登山道がある場所から300m離れた場所で元気になった狐達を山へ帰した。


2回目の登山の時登山から帰ろうとしたら1匹の狐が登山道の横で横たわったまま動かない状態で見つかった。


僕は横たわった状態で見つかった狐を急いで車で動物病院へ。


獣医は助からないかもしれないと言ってたが何とか一命をとりとめた。


僕は元気になるまで狐の世話をした。狐が元気になると僕は山へ帰してあげた。


半年後事件が起きた。


何と自治体が狐による農作物への被害を懸念して狐達を駆除し始めたのだ。


僕はいてもたってもいられなくなり会社を休んででもあの時に出会った狐だけは保護したかった。


しかし、僕が現場に行った時は既に駆除されていて駆除に積極的にかかわったのが殺されたあのサラリーマンのおじさんだった。


殺されたほかの6人も狐の駆除に参戦してたのだ。


それを考えると3年前に起きた殺人事件はひょっとしたら狐の祟りなのかも。


ここで謎なのが夢子とメイサとマドカとロリコだ。


もしこの4人が殺された狐の生まれ変わりだとすれば。


ある意味4人はあの時の仕返しをしたのではと僕は思った。


この事は4人には伏せておこうと思った僕は15年前の事は一切話さない事にした。


夢子「お父さん、15年前あの山で狐がいっぱい殺されたと近所のおじさんから聞いたけど本当。」


僕「わ、いつの間に。事実だよ。」


メイサ「お父さんは15年前怪我した狐を保護したみたいね。」


マドカ「その狐達は実はここにいるんだよ。あの時お父さんが何もしてくれなかったら、私達助からなかったかもね。あの時はありがとう。」


そう、彼女達は15年前に僕が助けた狐達だったのだ。


神様「君達はもう人間のままでいいじゃろ。」


仕事休みの日僕は15年ぶりに登山へ。


もちろん夢子とメイサとマドカも連れて行った。


駐車場で車を止めて出発したその時。7匹の狐が僕らの方をずっと見つめてた。


マドカ「あの狐達さっきから私達の方をじっと見つめてるんだけど。」


メイサ「本当だ。7匹の狐がこっちを見てる。」


夢子「貴方達は人間だった時に罪のない狐達を殺したんだから自業自得よ。私達に代わって山へ帰りなさい。」


夢子の言葉が分かったのか7匹の狐は山へ帰った。


僕達が見た狐は殺されたサラリーマンのおじさんとカップルを含む7人の生まれ変わりかもしれない。


{ナレーション}


登山の時に出会った7匹の狐は間違いなく殺された7人に違いない。


夢子・メイサ・マドカに囲まれ幸せ万丈な生活を送る陽太。


しかしながら7人が殺された事件が解決されていない。


{本文}


僕は夢子とメイサとマドカを引き取ってからというのも幸せすぎるし生活が豊かになった。


でもサラリーマンのおじさんとあのカップルを含めて7人が殺された事件が未解決のまま。


僕は夢子達に事件の事を話すべきかそれともやめるべきか悩んだ。


夢子達を見た感じ人を殺してるようには見えないし違ってた時が怖い。


夢子「お父さん、あの殺人事件の事まだ気にしてるの?」僕「まっまさかー。」


夢子は僕の心を読んでた。


メイサ「2年前に起きた連続殺人事件凄かったね。」


マドカ「まだ解決してないから気になるのも当然かな。」


夢子「先週の土曜日に登山へ行った時私が7匹の狐に言い放ったでしょ。自業自得よ。私達に代わって山へ帰りなさいとね。ここだけの話だけどサラリーマンのおじさんとカップルを含めて7人を殺したのは私とメイサとマドカよ。あの時の仕返しをしただけだけどね。」


僕「君達まさか本当に。」


メイサ「私達は元々狐だったのよ。あの時お父さんが助けてくれなかったら私達も生きてなかったろうね。」


マドカ「お父さんには感謝してるわ15年前にお母さんが怪我した時お世話してくれたから。」


夢子「ロリコ姉ちゃんもお父さんが助けてくれた事覚えてるみたいよ。」


ロリコ「遊びに来ました課長。」僕「ロリコさん来てくれたのか。」


そう彼女達は元々狐だった。


夢子「もう忘れましょ。」{パンッ}


夢子の一本締めで事件の記憶はすべて消えた。


半年後僕は18歳年下のロリコと結婚した。


こうして僕は永遠に幸せになれたのであった。


{ナレーション}


陽太の脳裏にあった殺人事件の記憶を一本締めで消し去った夢子は恐るべきだ。
















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