第175話 魔王討伐記念祝賀会①
王宮の大ホールで祝賀会の開催を待つ白金百合華とその一行。歓談しながら、ローズはアッシュに尋ねた。
「なぁ、アッシュさん、ゴールドプレートハンターが見当たらないんだが、あいつらは欠席か?」
これにアッシュは苦笑して答えた。
「ゴールドプレートは個性派ぞろいで困るな。”闇の千里眼”スカッシュは、こういう場は苦手だと言って、報酬だけ受け取って、さっさと行ってしまったよ。”幻影邪剣”カツラも、似たようなことを言って、挨拶だけ済ませて帰ってしまった。残る”斧旋風”バードックは、会場のどこかにいるはずなんだが、全く姿を見せない。妙なトラブルを起こしてくれなければいいんだが……」
「フッ、まぁ、そんなもんだろうな。あいつらは」
「司令官のチェスナットさんは?」
百合華が尋ねると、これにもアッシュは苦笑いした。
「あいつは、あっちの来賓席に入り浸ってるよ。一応、あいつもベテランハンターくらいの実力があるんだが、どうもハンターとつるむより、ああいう方が向いてるみたいだ」
貴族や有力商人が集う来賓席を見ながら、一同は微妙な表情で笑った。そして、アッシュは再びローズに語った。
「それにしても、ローズだけでも来てくれて本当に助かったよ。もしも挨拶を頼まれたら、君が引き受けてくれないか?」
「は?何を言ってるんだ。それはアッシュさんの役目じゃないか。だいたい、女のあたしがこんな場で挨拶したら、絶対に男どもから睨まれるだろうが」
「いや、今回に限っては、そうでもなさそうだぞ。来賓のお偉方を見てみろ。ほとんどの貴族や有力商人が奥方を連れている。第一王子のクインスという男は、シュラーヴァスティーに留学中で、公の場には夫婦で出席するのが当然だと提案したそうなんだ」
「へぇーー、こっちの国にもそういうことを言い出す有力者がやっと現れたか」
「そして、今はラクティフローラ王女の存在が大きい。王都を襲撃した魔獣を次々と撃退し、城下町の重傷者を治癒魔法で献身的に治療したことから、まるで聖女のようだと称えられ、人々から”聖王女”と呼ばれている。勇者に次ぐ、もう一人の英雄として称賛されているんだ。普段、公の式典には姿を現さない王女様だが、この祝宴には出席し、挨拶するそうだぞ」
「なるほど。確かに王女殿下の活躍は素晴らしいものだったからな」
「ふっふーーん、さすがはラクティちゃんね」
アッシュとローズの会話に、なぜか百合華が鼻を伸ばした。
その時である。
会場である大ホールに、一人の騎士の威厳を込めた叫び声が響いた。
「王子殿下が入場されます!!」
大ホールの正面に、厳かな出で立ちの一団が入場した。それは、第一王子クインスと第二王子ヘンビットをはじめとした王国の重鎮たちであった。宰相ゴードと5人の大臣、さらに騎士団長と6人の部隊長である。ちなみに第六部隊の部隊長は、前任のホーソーンが戦死したため、新しい部隊長が就任していた。
彼らの姿を目にすると、場内で話し込んでいた面々が静かになった。瞬時に厳粛な雰囲気になり、田舎者が多いハンターたちもその空気を読んだ。まもなく祝賀会が始まろうとしているのである。
「なんだ?レンが来ないうちに始まっちまうぞ」
「何してんですかねぇ。レンってば」
ローズとダチュラは、呑気に周囲を見渡している。
一方、正面に独り立った第一王子は、よく通る声で来場者に告げた。
「お集まりの皆様、国王陛下はお体が優れませんので、後ほどご来場されます。本日は陛下に成り代わり、わたくし、王太子のクインスが、皆様にご挨拶申し上げましょう」
これを聞いた百合華とダチュラは、小声でテンションを高めた。
「へぇーー、私、王子様って初めて見たかも。やっぱりイケメンなのね」
「やばっ……なまクインス殿下だ。生きてるうちに、お顔を見れるなんて、ど、ど、どうしよ、これ。実家に帰ったら、お母さんに自慢しなきゃ」
特にダチュラは田舎者まるだしで喜んでいる。
そんな二人のことなど目に入るはずもなく、クインスは話を続けた。
「本年は、世間でも”破滅の魔王”が降臨すると噂されている年であり、我が国も昨年より魔族の侵攻に度々、煮え湯を飲まされて参りました。しかし、ついにその元凶たる、”破滅の魔王”デルフィニウムを討ち取ることができたのです!本日は、我らが”勇者”ベイローレルを称えるとともに、その大規模な戦闘を手助けした騎士団とハンターによる魔王討伐連合軍を称揚する祝宴です。国王陛下、直々の命により開催されますことに心から感謝し、盛大に祝おうではありませんか!」
立派な挨拶であり、この場に集った人々は、第一王子が決して愚鈍な人間でないことをすぐに悟った。このような人物が国王の嫡子であれば、王国は安泰であろうと。
「では、見事、魔王を討伐しました”勇者”ベイローレルより、乾杯の儀を執り行ってもらいましょう」
第一王子から指名されると同時に、ベイローレルは会場に入ってきた。そして、人々が見守る中、大ホールの正面に立つ。
彼の姿を見慣れた連合軍は、ただ見ているだけだが、来賓で訪れている貴族や有力商人に同伴してきた女性陣は、彼の美貌に心奪われ、食い入るように見つめていた。
そんな中、達人であるベイローレルは、場内にいる人物の気配を感じ取り、いち早く百合華の位置を突き止めた。
自然と彼と百合華の目が合う。すると、百合華は気さくに小さく手を振った。それを見た瞬間、常に微笑をたたえた彼の顔が、一瞬だけ少年のように輝いた。そして、満足そうに堂々と話を始めた。
「ここにいらっしゃる皆様のお陰で、ワタシは魔王デルフィニウムを討ち取ることができました。そしてまた、ここに集まることのできなかった多くの犠牲者のお陰でもあります。王都においても魔族の卑劣な罠により、魔獣の襲撃を受けるという未曽有の危機に直面しました。まずは皆様、この戦争によって犠牲になった方々と、勇敢にも命を賭して戦い抜き、落命した戦友たちへ、黙祷を捧げようではありませんか」
連合軍の指揮官として戦った者らしき、見事な挨拶だった。戦勝を祝う式典の定型文であろうが、並み居る面々は同じ想いを抱いて一様に頷き、納得する。
「では、黙祷!」
彼の一言で、全員が黙祷した。
十秒ほどの時間が流れた後、彼は明るい声で宣言する。
「……ワタシからは以上です。これよりは無礼講で勝利の宴を楽しみましょう。皆様、盃を取ってください。それでは、乾杯!」
それぞれが手に持ったグラスを掲げ、宴会が始まった。豪勢な食事が用意された立食形式のパーティーである。王国の公式行事では珍しいことであるが、礼儀作法に疎いハンターからの要望により、この形式になったのだ。
王宮で出される料理など、めったに食せるものではない。出席者は、ハンターだけでなく騎士や兵士も含めて感動しながら味わっていた。
ところが、ある一角だけは、意外とそれほどでもないという顔をしている。白金百合華たちである。ローズとダチュラがおいしそうに食べながらも真顔で呟いた。
「うん……まぁまぁだな」
「ユリカのお陰で、舌が肥えちゃったかも」
「うふふ、一応、”ありがと”って言っとくね」
現代社会の食文化と比べれば、その発展の度合いが違いすぎるため、なんと一般家庭の主婦である百合華の料理の方が、宮廷料理より上だったのだ。もちろん、彼女自身のセンスの良さとプラチナ商会が仕入れる高級素材があってのことでもあるが。
「あたし的にはユリカが作ったハンバーガーが最強だな」
「私もアレ好き。肉を挽き肉にするとか、パン粉と卵でつなぎ合わせるとか、さらにそれを焼いてパンで挟むとか、もう何もかもが革命的よ。しかも食べやすくてハンター向きだし」
「そうなんだぁ。私的には、みんなの喜びようの方が不思議なんだけどね」
謙遜しながらも百合華はまんざらでもない顔をする。その横ではテーブルに座らせている牡丹が、夢中でおいしそうに料理を口に運んでいた。その口元いっぱいにソースが付いているのを百合華が拭いてあげる。
「牡丹、いい子で静かにしてくれて、ありがとね」
「うんっ!」
平和な会話をしている彼女たちだが、やはり女性ハンターの集団には周囲の騎士やハンターは声を掛けづらいらしく、誰も近づいて話そうとしない。そこに颯爽と接近したのは、ベイローレルだった。
「ユリカさん、皆さん、楽しんでいただけてますか?」
「あ、ベイくん、ありがとね。子どもの出席まで許してくれて」
「いえ、癇癪起こされて、暴れられても困りますからね……」
言いながら、ベイローレルは牡丹に視線を移し、なんとも言えない複雑な表情をする。この場に集った男性の中で、彼だけが本物の魔王の所在を知っているのだ。以前に彼女に殺されそうになったことを思うと、警戒心を持つのは仕方のないことだろう。
「牡丹、ベイくんだよ。わかる?」
百合華に声を掛けられ、料理をごくりと呑み込んだ牡丹がベイローレルと目を合わせる。一瞬、真顔になるベイローレルだったが、機嫌の良い牡丹は、嬉しそうに目を輝かせた。
「ベイベイ!」
これまで何度かテレビ通話で顔を合わせているため、彼の顔を覚えていた牡丹は喜んで跳びついた。牡丹を抱っこすることになったベイローレルは、動揺しながらも次第に表情を崩した。
「おっ、おおおぉぉぉ、よかった。もうボクのこと怒ってないんですね」
「うん。ガッルスも元気になったし、あの時のことはすっかり忘れちゃったみたいよ」
「さすがです。ユリカさん。この子が本当に普通の女の子になるなんて」
「なんやかんやで、ベイくんが頑張ってくれたお陰だよ。本当にありがとね」
「は……はい!」
超絶イケメンで稀代のプレイボーイであるベイローレルが、百合華を前にすると少年のように顔を綻ばせる。これに若干の嫉妬を覚えるダチュラは、横からジトーッとした目つきで口を尖らせていた。
「そういえば、ピアニーはどうしてますか?もうすぐラクティも来場しますが」
「シャクヤちゃんは、目立ちたくないらしくて隅にいるって言ってたんだけど、あっちは大変なことになってるわね」
「あぁ……」
史上最年少のゴールドプレートハンターであり、”姫賢者”と称される美少女のシャクヤは、隅で大人しくしていたにも関わらず、大勢のハンターや騎士から声を掛けられ、一つの集団と化していた。百合華たちから離れたことが、かえって災いし、気軽に話し掛けられる空気を男性陣に感じさせてしまったのだ。
「シャクヤちゃん、モテモテだねぇーー」
「ユリカさんほどではないと思いますよ」
「何言ってんのよ。こんなオバサン掴まえてぇーー」
中身35歳の百合華は、見た目ではベイローレルより年下であるにも関わらず、彼からの賛辞を一人の主婦として嬉しそうに受け流した。それをベイローレルは、母親になった自覚から生まれたものであると勝手に解釈する。
「いえ、お世辞ではなく。お子さんがいらっしゃるとは思えないほど、とてもお綺麗です」
彼が真剣な表情でそう言った頃である。宴もたけなわの中、特設のテーブル席に優雅に座りながらも時計を気にしている者がいた。第二王子ヘンビットだ。
「父上のご到着が遅れているな」
「まだしばらく掛かりそうだということです。思っていた以上にお体が悪いのかもしれません」
臣下から情報を入手した宰相ゴードが耳打ちする。会場では、楽団による演奏が続いているが、それもまもなくフィナーレを迎えようとしている。このままでは祝賀会そのものが終わってしまうかもしれない。そう焦りを感じた第二王子は、勢いよく立ち上がった。
「ええい!仕方がない!父上にも見ていただきたかったが、これ以上は待ってられん!先に始めるぞ!」
そのままヘンビットは大ホールの正面に向かった。ちょうど楽団の演奏が終わり、指揮者が一礼したところである。このタイミングで第二王子が正面の演壇に立つと、自然と人々の注目を集めた。
「え?あれって?」
「第二王子のヘンビット殿下だ」
ハンターと騎士が口々に言い合いながら、その様子を見ていると、ヘンビットは声高に挨拶した。
「さて、ご列席の皆様、本日は魔王討伐の悲願が叶ったことを祝う、めでたき場でありますが、さらに我が王国にとって宿敵と言える重罪人を捕えることにも成功しました。この良き日。よろしければ、彼をこの場に連行し、皆様の前で処断したいと思いますが、いかがでしょうか」
戦勝を祝す宴会において、さらに捕縛した敵を晒し者にするという。この提案に、騎士道精神のある一部の者は訝しむ顔をしたが、戦争に参加していない来賓の貴族と有力商人は興味を示した。そして、荒っぽいハンターたちは特に喜び、大声で応える。
「なんだなんだ!魔族でも捕まえたのか!」
「極悪人をここで処分すんのか!いいんじゃねぇの!」
「へぇーー、王国貴族も面白ぇ出し物を考えるじゃねぇか!」
人々の反応が上々なのを見て、第二王子ヘンビットは満足そうに微笑んで話を続けた。
「では、彼の姿をお見せしましょう。王国ではその名を知らぬ者はいない大罪人。”勇者”ベイローレルがいるにも関わらず、我が王家を欺こうとした軽薄無能の男。”偽りの勇者”レンです!!」
大ホール入口の大きな扉が開いた。
そこから登場したのは王子が紹介したとおりの人物。
――そう。僕、白金蓮であった。
手枷などで拘束されてはいないが、周囲を騎士に囲まれ、背後は”斧旋風”バードックが守っている。まず普通のハンターでは逃げることが不可能な陣形だった。まして、レベル16の僕が力ずくで突破できる包囲網ではない。
宝珠システムのブレスレットも取り上げられており、バードックが持っている。僕は今、完全に無防備な状態だった。
第二王子が語ったとおり、今や僕の名を知らぬ者は、この国にはいない。魔王討伐連合軍に参加した騎士やハンターも、魔城にて重傷者を治療した僕の存在を知らないはずはなかった。
誰もが息を呑んだ。
おそらくそれぞれの立場で様々なことを考えたことだろう。そして、その違いは、王国の重鎮の間でも軋轢を生じさせた。騎士団長ロドデンドロンは、宰相ゴードに激しい剣幕で迫った。
「こ!これはどういうことですか!宰相閣下!」
「おや、何を焦っておられるのかな。騎士団長殿。国家不敬罪の大罪人を捕えることは王家に仕える者の責務ではないですか」
「し、しかし、私は彼と約束を!これでは、我ら王国騎士団は、契約を違える野蛮な集団であると見なされてしまうではありませんか!」
「何をおっしゃる。国家の大罪人を勝手に赦免することの方が国王陛下を裏切る行為ではないですか。あなた方にそのような権限があるとお思いか?」
「戦時下での判断は全て私に一任されています!」
「それは戦争中の話。全てが終わった今、私の目の前で”偽りの勇者”を野放しにすることなど、決してありえないことなのですぞ」
「彼の治癒魔法で、部下や城下町の人々がどれだけ救われたか!彼は我が国の大恩人なのです!」
二人の口論は、会場のどよめきによって掻き消され、周辺に聞こえることはない。そして、いかに騎士団長が訴えようとも、最高の後ろ盾を得ている宰相は、笑みを絶やすことなく言い切った。
「ふっ……何を言っても、もう遅い。見なさい。我が国の第二王子ヘンビット殿下が直々に命じられて彼らは動いている。あれをそなたに止めることができるかな?」
僕、白金蓮は大ホールの中央にまで歩かされ、そこにヘンビット王子が近づいてくる。その光景を見たロドデンドロンは歯噛みするしかなかった。
(くそっ!このような公の場で王族に盾突けば、不敬なこと極まりないではないか!そんなことをすれば、こちらが処分を免れん!)
騎士団長がそう思って二の足を踏んでいる間、騎士とハンターの中でも義侠心に溢れた者たちが、僕を守ろうと決死の表情で近づいてきた。
「おおっと!それ以上は近寄らねぇ方がいいぜ!オレの斧で真っ二つにされたくなきゃあな!!」
あろうことか、バードックは王宮内の祝宴会場であるにも関わらず、斧を振りかざした。だが、その無作法にはお咎めなしである。”斧旋風”の実力は連合軍参加者の誰もが認めるものであり、全員が悔しそうに立ち止まった。
僕の登場時から、呆気に取られ、動揺しながらここまでの様子を見ていたダチュラとローズは、ついに我慢しきれなくなり、ウチの嫁さんに小さく叫んだ。
「ユユユ、ユリカ!ど、どうすんのアレ!ヤバいよ!ヤバすぎるよ!」
「もう我慢できん!ユリカ!あたしは力ずくでもレンを助けるぞ!」
しかし、彼女たちの前に嫁さんはそっと立ち、手で合図して制止する。彼女は、落ち着き払いながらも、厳しい目つきで一言だけ告げた。
「任せて」
隣にいたベイローレルも険しい表情で僕を見ている。その間にも第二王子ヘンビットは、僕の前にやって来た。そして、声高々に僕の罪状を並び立てた。
「皆様!このレン・シロガネという男は、我が王家を侮辱したのみならず、『プラチナ商会』という組織を立ち上げ、悪しき手段によって、我が国の商人たちを苦しめているのです!わけのわからない魔法を使って人々を誑かし、市場を独占しようと画策しているのです!王国内においても、いったいどれだけの商会が、この男に取引先を奪われたのか計り知れません!」
この宣言は、居並ぶ人々の中で、特に来賓の貴族と有力商人に絶大な影響を与えた。彼らは、口々に囁き合った。
「あれが……『プラチナ商会』の代表か……」
「”偽りの勇者”と同一人物であるという噂は本当だったのか……」
初めは奇異な眼差しを向けられていたのが、次第に敵意の眼光に変わる。さらには、一人の小太りの商人が第二王子に近寄り、同じように大声で叫んだ。
「私は、『ワックス商会』の代表を務めるハゼと申します!王子殿下のおっしゃることに間違いはございません!『プラチナ商会』が世を席巻している事実は、皆様もよくご存じのことでありましょう!どうか!この悪逆非道な男の処遇を、この場で王子殿下に決めていただこうではありませんか!」
なんたることだろうか。ラージャグリハ王国にも司法制度は存在する。まだまだ法整備が万全とは言えない原始的な裁判のはずだが、それでも罪人が申し開きをする場はあるのだ。それを無視して、この場で為政者の息子の一存で、僕の処遇を決しようと言うのだ。理不尽にも程がある。
しかしながら、来賓の人々は、彼の言い分に押されて、頷きあったりしている。これでは、あまりにも風向きが悪い。
僕は、このような状況下で、いつ口出ししようかと考えていたが、ここが潮時だと思った。さすがに我慢の限界だったので口を開こうとする。ところが、その瞬間、僕の前に立ちはだかり、大声で弁明した人物がいた。
「お待ちくださいませ!レン様は!レン様はそのようなお方では断じてございません!!」
「え!シャクヤ!!」
なんとシャクヤが飛び出してきたのだ。
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