6.七曜の仏‐土曜日。
「月曜の試練を乗り越え、一週間よくぞ参られた。今日は存分に休むがいいぞ」
仏。
慈悲深き仏。
それが土曜日。
どんな過ごし方をしても、その日は平等にやってくる。
安息の日。
しかも、週休二日制度では休み1日目なので、翌日のことも気にしなくていい。
一週間の疲れを癒して、好きなことをして、明日の心配もしなくていい。
ある意味、日曜を超える現代社会における究極の休日。
「でもさ、土曜日って祝日かぶると振替にならないよね」
「日曜日は月曜に振替されるけど土曜日が祝日だとなんにもならないよね」
「むしろ祝日が無駄になってる感、半端ないよね」
……人間の陰謀により、仏の土曜日は時々、悪質な祝日イーターと化す。
毎週やってくる魔王以上に、厄介な存在だ。
ある意味討伐イベントが発生したら倒しに行って、祝日を取り戻したいレベルである。
しかし、それは一週間のどこかしらに休みが入る確率に比べたら、随分少ない確率であり。
「今日は、ゆるりと好きなことをして過ごすといい」
土曜日は大体、フリーダムな一日を提供してくれる。
明日は日曜、最後の七曜。
しかし、この日のそれは七曜たちの間に起こる、事件の発端だった。
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