2.七曜の副官ー火曜日。

火曜日。


それは月曜という試練を乗り越えたあとにやってくるもの……

大体、エンジンがかかった人々にとって何のことはない平日だ。


しかし、己が祝日となると、市井に立ちふさがる月曜日を無効・弱体化し、さらに月曜日が休みになった場合……


「今週残された平日は四日間。果たしてあなたは無事に超えていけますか」


魔王の代理みたいになる。


実際、連休後の通勤通学はつらい。

夏休み明けの学校ほどではないが、休みの長さに比例して、弱体化しているのは人間の方である。


しかし、うしろの曜日のことを考えない『週の始まり月曜日』の動きを見張る。という点では彼は黒幕、もしくはダークホースと言える。


いや、むしろ月曜がラスボスで魔王なら、火曜日はそれを支えるやり手の副官か。


……そう考えると、連休明けの火曜日こそ、魔王の後ろにさらに大魔王がいました。しかもそれ、魔王の副官の仮面かぶってました。


みたいな存在に思えないこともない。


「あ、今週はふつうに五日連続平日ですね」


しかし、月曜日がちゃんと仕事(?)をした翌日の彼は紳士的だ。



「そろそろエンジンがかかってきたと思います。今日も一日頑張って。いってらっしゃい」



火曜日は、月曜日のみに強く影響力を及ぼす黒幕なのかもしれない。

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